ゆとりーとライン脱線

軌道部分なのでこちらの分類で。案内輪が引っ込んでしまった段階で警報が出ない構造に問題がありそうな気がするのですが。

ガイドウェイバスゆとりーとライン」の脱線事故は、運営会社「名古屋ガイドウェイバス」などの調査で、ハンドルの役目を果たす案内輪が走行中に車体下へ引っ込んで方向制御できない状態のまま1.6km走り続けていたことが判明した。同社は案内輪が誤作動したとみて、車体の開発メーカーとともに原因究明を急いでいる。
ガイドウェイバスは一般道から小幡緑地駅で高架区間(6.5km)に乗る。運転士がスイッチで走行モードを切り替えると、横向きタイヤの案内輪が両脇にせり出し、レールに誘導されて走る。
事故は15日8時15分頃、大曽根駅直前の左カーブで発生。同駅へ向かっていたバスが案内輪が出ていなかったため直進し、レールに乗り上げた。乗客約40人に怪我はなかった。
小幡緑地では案内輪が正常に出たことが指令室との無線交信で確認されている。しかし、大曽根駅の1.6km手前の右カーブで男性運転士と複数の乗客がこすれるような異常音を聞き、事故現場までレールにタイヤがすった跡も見つかり、案内輪が何らかの原因で引っ込んでいたとみられる。
また、異常を感じた際、運転士は「無線がつながらなかった」と話しているという。ガイドウェイバスは高架上で案内輪が出ている状態でのみ指令室と無線がつながる仕組み。事故のような状況では無線がつながらないという盲点があり、事故を受け、無線のシステムの見直しに着手した。
(2007年11月25日=CHUNICHI Web)

事故の様子は、こちら。

15日8時10分頃、ガイドウェイバスゆとりーとライン大曽根駅手前で、中志段味大曽根行き上り車両(75人乗り)が左カーブ地点で脱輪、右前輪が高さ約15cmのガイドレール上に乗り上げて停止した。同バスは市電などと同様に軌道扱いで、乗客40人は無事だったが、国土交通省は国内では唯一の同型バスの脱輪事故とみて、航空・鉄道事故調査委員会に通報、事故調が調査官2人を派遣した。
運行する「名古屋ガイドウェイバス」によると、車両には前後のタイヤがレールと接しないよう案内輪が取り付けられている。前部の案内輪はレールに入ると張り出す可動式だが、脱線後の調べで、右側前部の案内輪が収納状態になっており、事故調が詳しい調査を進めている。
事故後、乗客は降車して駅員に大曽根駅まで誘導され、上下3本が運休した。「ゆとりーとライン」は渋滞解消のため、同市などが出資して2001年に開業。大曽根小幡緑地の6.5km区間は高架式専用道上をハンドル操作なしで運転、小幡緑地から平地道路を走る通常バスとなる。
(2007年11月16日=毎日jp