庄内空港でオーバーラン

8日22時半ごろ、羽田発の全日空899便が庄内空港に着陸した際、滑走路を約66mオーバーランした。雪の影響とみられる。乗客161人、乗員6人にけがはなかった。
庄内空港事務所によると、機体は滑走路の舗装部分を越え、草地で停止した。機体はボーイング737-800型。機体の損傷はなかった。1991年の開港以来、庄内空港でのオーバーランは初めて。当時、空港付近は雪が降っており、風も強かった。
(2012年12月9日=山形新聞

<2012年11月11日追記>

酒田市庄内空港で8日夜、羽田発の全日空899便ボーイング737が滑走路をオーバーランしたトラブルで、国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官3人が10日、同空港で現地調査を行った。調査官は同日夕、空港内で記者会見し、トラブルの要因について「着陸時に予想外に強い追い風が吹き、機材が止まりきれなかった可能性がある」との見解を示した。
同委の福田公爾調査官は会見で「着陸の直前から風速、風向きなど天候が急変した。風速は1〜10m/secの変動幅。厳しい気象状況だった」とし、今後の原因究明では「気象に重点を置いて調査していく」と語った。機長や副操縦士の操縦、機体についてはいずれも「大きな問題はなかったと感じる」という。
航空機の離着陸は、一般的に向かい風が理想的とされる。県庄内空港事務所などの説明によると、空港付近は当時、北西の風約6.5m/secで、機体は斜め後方からの風を受けていた。福田調査官によると、天候急変後の風速、風向でも、全日空が定める着陸の基準値内にあったという。
気象の急変は着陸6分前から始まったとみられ、機長らは急変前の気象データに基づいて進入角度や速度を決めていたという。
調査官は10日午前から、停止位置や滑走路周辺の設備を調査。機体の前輪を支える部分が破損していないか確認した。トラブルのあった機体のフライトレコーダーなど、必要なデータを持ち帰って分析。1年以内に調査を終了させたいとしている。
全日空899便は8日夜、滑走路を約80mオーバーラン国土交通省は負傷者が出るなどの事故につながりかねない「重大インシデント」と判断し、原因究明のため現地に調査官を派遣した。
(2012年12月9日=山形新聞