瀬川晶司四段C級2組へ昇級

おめでとうございます。

サラリーマンから将棋棋士へ転身した瀬川晶司四段(39歳)が15日、東京・将棋会館で行われた対局に勝ち、規定の勝率に達してフリークラスから名人位につながる順位戦C級2組へ昇級した。
瀬川四段はアマチュア時代に特例の試験を受けて合格し、2005年11月にプロ入りして話題となった。10年以内にC級2組へ昇級しなければ引退という条件付き*1だったが、3年半で“二つ目のハードル”をクリアした。
「30局以上の勝率が6割5分以上*2」が昇級条件の一つ。瀬川四段はこの日の棋聖戦予選で中座真七段を破り、直近35局の勝率を6割5分7厘(23勝12敗)とした。順位戦には来年度から参加する。
フリークラスには、不振が続いてC級2組から降級*3した棋士らが所属。順位戦以外の棋戦には参加できる。ここからC級2組へ昇級したのは、これまで2人*4しかいなかった。
瀬川四段は1984年、プロ棋士の養成機関・奨励会に入った。26歳までに四段昇段という条件を満たせず、1996年に退会。だが、アマ代表として参加したプロ棋戦で抜群の成績を上げ、プロらを相手とする六番勝負の試験で3勝し、フリークラスへの編入が認められた。
(2009年5月15日=毎日jp

ちなみに、フリークラスからC級2組への昇級規定は、以下のいずれか(宣言によるフリークラス転出者は除く)。ただし、「年間」は4月1日から翌年3月31日までです。

  1. 年間対局の成績で、「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、なおかつ勝率6割以上。(例:2005年度で、日本シリーズ・新人王戦の出場権のない棋士の場合は17勝)。
  2. 良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上であること。
  3. 年間対局数が「(参加棋戦+1)×3」局以上。ただし、同じ棋戦で同一年度に2度(当期と次期)対局のある場合も1棋戦として数える。(例:2005年度で、日本シリーズ・新人王戦の出場権のない棋士の場合は30局)
  4. 棋士参加棋戦優勝、タイトル戦挑戦。

*1:瀬川四段に限ったは条件ではありません。フリークラス棋士全員に課せられている条件です。

*2:「よい所取り」でOKです。

*3:他に、宣言による場合と、奨励会三段リーグで次点2回によって得た権利を行使する場合があります。

*4:伊藤博文六段と伊奈祐介六段。伊藤博文六段は1998年度の順位戦で3つ目の降級点をとりフリークラスに降級しましたが、2001年に勝率の規定を満たし、C級2組へ復帰。2004年にフリークラスを宣言しました。伊奈祐介六段は1998年に奨励会三段リーグで次点2回によって得た権利を行使してプロ入り。2002年に勝率の規定を満たし、C級2組へ昇級しました。渡辺明竜王の義兄。