21日午前5時50分ごろ、東京都北区王子1、アルバイトの女性(23)方から出火、木造2階建て店舗兼住宅2棟延べ約620平方メートルを全焼した。2棟とも2階の住居部分が長屋になっており、住民の男女4人が煙を吸うなどして負傷し、このうち74歳の女性が意識不明の重体。火は現場に近いJR王子駅付近の鉄道の送電線に燃え移り、京浜東北線などJR4路線が最長7時間にわたって運転を見合わせた。

 JR東日本東京支社によると、火災発生直後から京浜東北線の大宮−蒲田間と、並走する宇都宮線の上野−宇都宮間、高崎線の上野−高崎間、湘南新宿ライン全線のJR計4線が上下線ともストップ。午後0時40分過ぎまでに運転を再開したが、約22万4000人に影響が出た。

 また都電荒川線も、消防のホースが線路の一部にかかり、午前6時過ぎから約2時間半にわたって運転を見合わせ50本が運休。約4000人に影響した。

 現場は北区立飛鳥山公園に近く、木造の居酒屋やバーが密集する飲食店街「さくら新道」の一角。アルバイトの女性は「電気ストーブをつけたまま寝てしまった」と話しているといい、警視庁王子署が詳しい原因を調べている。


(=毎日jp