有吉道夫九段、引退

実力が全ての世界で、この歳まで現役を続けられたというのは、驚異です。

将棋の現役最高齢棋士、有吉道夫九段(74歳)が24日、関西将棋会館で行われた第36期棋王戦予選トーナメントで矢倉規広六段(35歳)に敗北。日本将棋連盟の規定により、同日付で引退した。通算成績は1,088勝1,002敗だった。
有吉九段は岡山県備前市出身。故・大山康晴十五世名人に師事し、1955年にプロ棋士に昇格した。強い攻めの棋風から「火の玉流」の異名で呼ばれ、棋聖獲得1期、棋戦優勝9回。
有吉九段は今年2月2日の名人戦順位戦で敗退し、C級2組からフリークラスへの降級が決定。同クラスの65歳定年制により、引退が確定した。しかし、その後も他の棋戦で勝ち星を重ねて現役を続行。引退期日を「引退が決まった年度末」とする連盟の規定を「最終対局日」に変更させる契機となった。
24日の対局後、有吉九段は「引退が決まってからも、最後まで頑張るという思いでやってきた。今はやり切ったという気持ち。55年間、よくやってきたという満足感がある」とさっぱりした表情で語った。
(2010年5月25日=毎日jp