有吉道夫九段、NHK杯本戦出場を決める

将棋の現役最年長棋士で、来月31日付での引退が決まっている有吉道夫九段(74歳)が23日、第60回NHK杯将棋トーナメントの予選で3連勝し、本戦出場を決めた。対局日や対戦相手は未定だが、放送は4月以降となる見込みで、NHK杯では勝ち続ける限り対局できる。
NHK杯は持ち時間が短い早指し戦で、70歳代の棋士が本戦に登場するのは珍しい。有吉九段は「引退が決まったからといって、見苦しい将棋は指したくなかった。頑張ればチャンスが来ると示せたようで、うれしい」と語り、将棋界に8人しかいない1,000勝達成棋士の意地を見せた。
有吉九段は2月2日、順位戦C級2組9回戦で敗れ、成績と年齢を勘案した規定により、自動的に引退となった。
ただし日本将棋連盟には、組み合わせが抽選済みの棋戦、勝ち残っている棋戦は「4月以降もその全ての対局を行う」という規定があり、引退後も出場できる。
(2010年2月23日=asahi.com