神戸市の男児がポリオを発症

非常に稀なケースのようです。

神戸市は18日、市内に住む生後9カ月の男児が昨年12月にポリオを発症し、左足がまひしたと発表した。男児はワクチン接種を受けておらず、予防接種を受けた他の乳幼児の便などから感染した可能性があるという。厚生労働省も近く、おむつの処理に気をつけるよう、注意喚起する方針だ。
市や厚労省によると、ポリオは便を通じて感染する。自然に感染した例は国内では1980年を最後に確認されていない。ただ、ワクチンは弱毒化したウイルスを使うため、ワクチンを受けた人がごくまれに発症することがある。ワクチンに由来する感染報告は2006年以降、全国で3件あるという。
また、ワクチンを受けた人の便を通じて、家族ら周囲に二次感染することもある。1998年と2000年にはともに1歳未満の女児から30歳代の父親に感染。ともに女児の便からワクチン由来のウイルスが検出された。
神戸市では毎年5月と11月、3カ月〜1歳6カ月の乳幼児を対象にワクチンの集団接種を実施している。今回感染した男児は体調を崩して昨年11月の集団接種を受けていなかったという。
野本明男・東京大学特任教授(ウイルス学)は「今回の発症例は、ポリオワクチンを受けた子どもの便から感染した可能性が高い。ほかの子どもはワクチンを受けていれば仮に感染しても発症することはまずない。だが、ワクチンを受けていない子どもがいると発症の危険があるので、みなで一斉に受けることが大切だ」と話している。
(2010年2月19日=asahi.com