首都圏でも新型インフルエンザ患者が見つかる

潜伏期間中に入国してしまえば、検疫で引っかかりませんし、簡易検査は、ある程度以上にウィルスが増殖しないと検出できません。首都圏にも相当数の患者がいて、単に見つかっていなかっただけだと思われます。

東京都と川崎市20日、それぞれ1人ずつ新型の豚インフルエンザの感染者が確認された、と発表した。関係者によると、2人はいずれも川崎市内にある洗足学園高校の2年の女子生徒で、ニューヨークでの行事に参加し、19日に帰国した。八王子市の生徒(16歳)は同市内の東京医大八王子医療センターに、川崎市の生徒(16歳)は市立川崎病院に入院した。都と市は2人と接触した人たちの健康調査を行う。
都や川崎市などによると、2人はニューヨークで開かれた高校生らの国際イベント「模擬国連全米大会」(14〜16日)に出席するために11日に渡米。現地のホテルでは同じ部屋に泊まっていた。19日14時頃、コンチネンタル航空09便で成田空港に到着。2人とも機内で発熱したため、検疫でインフルエンザの簡易検査を受けたが、陰性だったことから、帰宅した。
2人は成田空港からそれぞれ別のバスで移動し、電車を乗り継ぎ、タクシーなどで帰宅。生徒は帰宅途中、成田空港の検疫官の指示でマスクをしていたという。2人とも20日に高熱が出たため、地元の感染症指定医療機関や発熱外来を受診。簡易検査でインフルエンザA型が陽性だったため、ウイルスの遺伝子検査を受けていた。
八王子市の生徒は20日午前時点で約39度の熱があり、せき、のどの痛みなどの症状があり、川崎市の生徒も同日夜、約38度の熱があり、のどの痛みなどを訴えているが、いずれも症状は安定しているという。2人の家族には症状はないという。
模擬国連には、2人のほかに洗足学園から4人と引率者1人が参加。都内3校、神奈川県内1校、千葉県内1校からも生徒2人ずつが参加した。洗足学園渡航者の帰国後、全員を自宅に待機させており、ほかの生徒らと接触しないようにしているという。
都と川崎市感染症法に基づき、患者と接触した人たちを確認し、症状の有無などの調査に着手。政府のガイドラインに基づき、接触度合いが高い人には、症状の有無にかかわらず予防的に抗インフルエンザ薬を使用させる。
厚労省の21日未明までの調べでは、感染者らと同じ機内で近くに座っていた濃厚接触者は25人で、このうち入国したのは17人。日本人が6人、米国人10人、スペイン人1人。 朝日新聞社の集計では、国内の感染者は20日現在、東京、神奈川、大阪、兵庫、滋賀で計267人。
(2009年5月21日=asahi.com