NTTdocomo三陸沿岸のエリア確保へ

船舶電話との棲み分け問題で海上エリアを表示できなかった時代を知っている者にとっては、隔世の感があります。

NTTdocomo東北支社岩手支店は、岩手県内の海難事故防止に役立ててもらおうと、東北で初めて漁業関係者向けに通話可能エリアの確保に乗り出した。三陸沿岸ではアワビやカキ、ワカメ漁などが盛んだが、無線機を搭載しない小型船を使うことが多い。そこで海岸線の実地調査をもとに携帯電話の通話可能エリアを明示した地区別のマップを作製したほか、今後は基地局を増設し圏外エリアを解消、漁の安全につなげる。
三陸の海岸線の調査は昨年2月から11月まで実施。船に主力の第3世代携帯FOMA」の通話可能エリアを確認するための機器を積み海岸線を航行した。三陸は海岸線が入り組み長さが708kmに及ぶ。このうち見通しの悪い陸前高田市から久慈市までについてマップを作製、「使用可能」「電波がやや弱い」「電波が弱いか圏外」の3段階で表示した。
同社は昨年、県内各地で開催された岩手県漁船海難防止連絡協議会の海難防止講習会で調査を説明、各漁協に地域ごとのマップを配布した。
(2009年1月15日=NIKKEI NET)