USENに電気通信役務利用放送法に基づく警告

メディア事業大手のUSENが、衛星音楽ラジオ「サウンドプラネット」の契約を勧誘する際、くじ引きで「当たり」が出た客に特別な割引をしているように見せかけた手法が悪質な契約約款違反にあたるとして、総務省は21日、USENに文書による警告の行政指導をした。当選商法と呼ばれ、「当選者」が2年以内に解約すると31,500円の違約金を支払わせていた。
警告は、電気通信役務利用放送法に基づく措置で、業務停止命令の次に重い。放送事業者が番組内容ではなく契約を巡って警告を受けるのは初めて。総務省が同日午後、発表する。USENの広報担当者は「指摘は勧誘手法についてではなく、約款違反についてで、この点は認めて改善する」と話している。
総務省の調べでは、勧誘はレンタルCD店やディスカウント店などの店頭でUSEN代理店が実施。ほとんどが「当たり」のくじを引かせ、「当選者には加入金31,500円を無料にする」と説明してお得感を強調したが、実際には、くじを引かない他の顧客も大半は加入金無料だった。
契約は2年継続が条件で、途中解約した場合は、加入金と同じ31,500円の違約金を徴収。これは、約款で定める解約手数料の10倍にあたる。また、月々の視聴料についても、「通常の6,300円から特別に5,775円に割り引く」と説明していたが、くじを引かなくてもほとんどの顧客が割引対象だった。
総務省は、代理店の勧誘手法はUSENが指導して一体運営していたと判断。(1)加入金は無料化をやめるか、約款上も無料とする(2)違約金徴収は中止し、返還請求があれば速やかに応じる(3)月額視聴料も割引を中止するか約款上も5,775円とする、の3点を求めた。警告は情報通信政策局長名で、1カ月以内に再発防止策を定め、3カ月以内に進み具合を報告するよう求めている。
USENの勧誘を巡っては、9月までの1年間に全国の消費生活センターに約1,000件の苦情が殺到。衛星放送への勧誘に関する苦情の96%を占めていたという。
(2007年12月21日=asahi.com