DMV脱線

前回は雪でしたが、今回は何が原因だったのか、気になります。

21日12時20分頃、JR釧網本線浜小清水駅構内で、試験営業運転中だったDMVが発車直後、脱線した。乗客12人と運転士ら乗務員3人に怪我はなかった。
客を乗せた運転中の事故は初めて。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は同日、調査官2人を現地に派遣した。
JR北海道によると、脱線した場所は線路の本線に入るための引き込み線上で、半径300mの緩いカーブになっている。DMVは浜小清水駅裏の路上を出発、道路を10mほど走って線路に乗り入れた後、さらに約10m走ったところで鉄輪が進行方向の右側に約15cm外れた。同社によると、乗客の主婦は「『前輪が外れた』とアナウンスがあって脱線を初めて知った。衝撃はなかった」と話していたという。
同調査委の調査官2人は21日夜、現地で約1時間にわたって鉄輪周辺や線路の傷などを調べたが、原因は特定できていない。22日9時から調査を再開する。
この事故のため、DMV2本と普通列車6本が運休、約80人に影響が出た。JR北海道は「全国から注目される新しい乗り物でこのような事態を発生させ申し訳ありません」とのコメントを出した。
DMVはローカル線の有効活用を目的に同社が開発した、世界初の鉄路と陸路の両用車。今年4月から土日祝日に1日3便、浜小清水〜藻琴駅間で、客を乗せる試験的営業運転を行っている。DMVの脱線は、2005年11月、空知管内月形町のJR学園都市線の踏切で走行試験中、積雪により発生して以来、2度目。
(2007年10月22日=北海道新聞

<2007年10月25日追記>

JR北海道は24日、原因はバス走行から鉄道走行へ切り替える際に停止位置を誤り、前輪がレールに正しく乗らなかったためと発表した。「DMVの構造上の問題ではない」として、27日から運行を再開するという。
JR北海道の説明によると、DMVは、バスモードから鉄道モードへの切り替えが円滑にできるようにレール幅を通常より広げた場所で停止して切り替える仕組みになっている。
ところが、今年4月から釧網本線で始まった試験的営業運転では、モード切り替えの停止位置を示す線路横の看板を設計図より2m前方に誤って設置していた。JR北海道が工事業者に渡した図面が間違っていたためで、これまで約250回のモード切り替えは正しい停止位置より前方のレール幅が狭い場所で行っていた。
それでも、これまで脱線しなかったのは、前輪が正しくレールに乗っていたためだという。
JR北海道は停止看板を正規の位置に設置し直す一方、今後は乗務員などが前輪が正しくレールに乗っているかどうかを目視確認して出発するのを徹底するとしている。
(2007年10月25日=asahi.com