17日午後4時50分ごろ、兵庫県明石市のJR山陽線西明石駅構内の関係者専用踏切で、倉吉(鳥取県)発京都行き特急「スーパーはくと10号」(5両、乗客146人)が、印刷会社「エムステージ」(大阪市北区)の2トントラックと衝突した。列車の窓ガラスが割れ、乗客8人が軽いけがをし、トラックの運転手(25)も胸を打って軽傷。県警明石署によると、運転手は「警報機は鳴っていた」と話しているといい、業務上過失傷害などの疑いもあるとみて捜査、JR西日本の安全対策に問題がなかったかも調べる。

 同署やJR西などによると、踏切は幅約5メートル、長さ約18.5メートルで、JR西の車両基地への運搬用。警報機はあるが、遮断機はない。トラックは基地内に車内掲示物を納品し、帰る途中だった。

 列車の運転士は時速約100キロで走行中、踏切の約50メートル手前で南側から進入するトラックを発見。非常ブレーキを掛けたが間に合わず、トラックの荷台部分と衝突したという。

 トラックは踏切の東約10メートルの場所で横転。列車は約200メートル走って停車し、脱線はしなかった。1〜3両目の窓ガラス計8枚が割れ、20〜61歳の男性3人と女性5人が切り傷などを負った。乗客は約1時間後に降車し、JR西社員の誘導で西明石駅まで歩いた。姫路−神戸間の上下線で約3時間20分、運転を見合わせた。

 JR西によると、現場の踏切では03年3月にも、軽乗用車が誤って進入し、快速列車と衝突。06年10月には、工事用トラックの積み荷のH形鋼と普通列車が衝突した。
(2012年2月17日=毎日jp