明治から昭和にかけ全国の鉄道駅で温かいお茶を入れて販売され、プラスチック製容器の登場で姿を消した小型陶器「汽車土瓶」が、旧国鉄吹田操車場跡地(大阪府吹田市摂津市)で大量に見つかったことが23日分かった。大阪府文化財センターが発掘した。
同操車場で大阪駅終点の客車の清掃作業が行われていた昭和初期の1928〜33年の製品で、数万点あるとみられる。担当者は「ひと昔前の汽車の旅が見えるよう」と話している。
土瓶は高さ約7〜10cm、容量は約220mlと320mlの2種類。摂津市の跡地内にある石炭を捨てた穴で、付属の湯飲みやふたとともに見つかった。「五銭」「七銭」と販売価格のほか「空壜はこしかけの下江お置を願います」などと車窓から投げ捨てないよう注意書きがあるものも。少なくとも24種類の図柄や形状を確認した。
(MSN産経)