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十和田観光電鉄青森県十和田市)の鉄道事業の存続問題で、十和田市の小山田久市長ら沿線3市町の代表は3日、十和田市役所で十和田観光電鉄の白石鉄右エ門社長と会談し、要請があった今後10年間で5億2100万円の支援について、「鉄道事業に将来の展望が見えず、要請通りの支援はできない」と回答した。
 会談後の記者会見で白石社長は「鉄路の維持、存続に向け、厳しいご回答」と述べた。社内で協議し、今月中旬に廃線か存続かを表明するが、廃線の可能性が高くなった。
 小山田市長は記者会見で「苦渋の選択だが、東北新幹線の全線開業で乗客が激減し、展望が見えないほか、一企業に対する損失補填(ほてん)は市民の理解が得られず、代替バスでも地域の足は確保される」と語った。
 十和田観光電鉄は、乗客数の減少で収支が悪化し、今後10年の設備投資費などを一切負担できないとして沿線3市町に肩代わりを要請。来年3月末に十和田市駅の駅ビルから退去を求められていることから、存続か廃線かの結論を早めに出す必要があるとして、8月から沿線自治体と議会、住民向け説明会を開いて議論を進めていた。
(=KOLnet)