信号工事で不手際

「信号工事の不手際については、フェイルセーフなならない」ことは、鉄道関係者なら知っているはずです。工事終了後の試験or監視はどうなっていたのでしょう。事故の内容としては、非常に悪いものです。

 平成23年5月21日(土曜日)午前4時05分頃、北陸本線細呂木芦原温泉駅間上り線の第一閉塞信号機故障が判明し、細呂木芦原温泉駅間の上り線で徐行運転を行っていましたが、午前8時11分に復旧作業を終了し所定速度で運転を再開しました。
 この影響により、特急列車9本と普通列車3本の合計12本に最大で29分の遅れが発生しました。
 平成23年5月11日(水曜日)に行った工事の影響による上り線の第一閉塞信号機に関する配線の不具合により、当該区間に列車が進入しても閉塞信号機が赤に変わらないことが判明したため、徐行運転を行った。なお、調査の結果、5月11日の工事以降、当該閉塞区間に2つの列車が同時に進入するような事象はありませんでした。
(2011年5月21日=JR西日本

<2011年6月1日追記>
「確認?大丈夫に決まってるよ」なんて会話がなされていなかったことを祈ります。

今回の工事は芦原温泉駅から大聖寺駅までの閉塞信号機を制御している軌道回路装置の老朽取替工事で、5月11日(水曜日)は芦原温泉駅付近の閉塞信号機の制御を旧装置から新装置へ切り替えていました。
新装置の配線作業に使用する図面は、グループ会社で作成しましたが、この時当該信号機に赤信号を表示させるために必要な配線の記載を漏らしてしまいました。その後弊社で図面を確認、承認しましたが、その際に記載漏れを見つけることができなかったため、この図面をもとに配線作業が行われた結果、上記事象が発生してしまいました。
工事後の機能確認は、関係する信号機の表示を確認する方法で行っていました。段階的に工事を進める過程において、確認者は当該信号機の赤信号が現示されることを確認できたと思い込んでいましたが、結果的に適切には確認できていませんでした。
(2011年6月1日=JR西日本