US-1A、太平洋上で韓国軍艦の急病人を救助

RIMPAC2010を終えて帰投中の韓国海軍イージス駆逐艦世宗大王で急病人が発生。ヘリコプターでは航続距離が足りないということで、海上保安庁の依頼を受けた海上自衛隊厚木航空基地からP-3C(第3航空隊)、US-1A(第71航空隊)各1機*1を出動させ、急病人を厚木航空基地まで搬送したそうです。台風4号の余波で風、波ともきつかったと思うのですが、無事、任務を果たしてくれました。
災害派遣で他国の軍人をを救助したのは、初めて*2。双方がボートを出して急病人を受け渡しているシーンが、米第7艦隊のサイトで公開されています。
国際的には1979年に発効した「海上における捜索及び救助に関する国際条約」(SAR条約)という条約があり、日本はこの条約に基づいた協定を1986年に米国と、1990年に韓国と締結しています。なお、ソ連(当時)とは1956年に「日ソ海難救助協定」を締結しています。
<参考>航続距離と速度

機種 航続距離 最高速度 巡航速度
P-3C 4,860NM(9,001km) 395kt(732㎞/h) 335kt(620Km/h)
XP-1 4,300NM(8,000 km) 450kt(833km/h)
US-1A 4,000km以上 490km/h
US-2 2,500NM(4,630km) 315kt(583km/h) 260kt(481km/h)

*1:足が速く航続距離も長いP-3Cが捜索し、US-1A/US-2が救助するという流れです。

*2:1992年1月に太平洋上で墜落した米空軍F-16のパイロットを救助している他、1994年8月に四国沖で米国艦から急患を搬送しています。