犯人は車掌

「このヒューズが抜き取られると何が起こるのか」について解説しているマスコミが見当たらないのは何故?

JR西日本の電車から、緊急時に周辺の列車へ信号を送る防護無線用の予備電源装置のヒューズが抜き取られた事件で、大阪府警は21日、天王寺車掌区所属の車掌(49歳)を器物損壊と偽計業務妨害の両容疑で逮捕し、発表した。容疑者は容疑を認め、「会社に不満があった。車掌の仕事がきつく、嫌になった」などと説明しているという。
JR西日本によると、社員には年に2回、上司との面談で異動などの希望を伝える機会がある。JR西日本は、容疑者は2007年以降、「通勤が近くなるから」との理由で京都車掌区への異動を希望したことはあるが、車掌の仕事や会社への不満を話したことはなかった、としている。
発表によると、逮捕容疑は、今年4月上旬、乗務中に予備電源装置からヒューズ1本を抜き取って、防護無線が使えない状態にするとともに、4月下旬〜5月上旬、JR西日本に多数の列車の緊急点検をさせて業務を妨害したというもの。府警は21日午後、天王寺車掌区を家宅捜索した。
府警などによると、被害が判明した22両は、いずれも国鉄時代に製造された「103系」と「201系」。2車種とも予備電源装置が運転(車掌)室内の上部にむき出しで設置してあり、ヒューズを抜き取りやすい構造だという。
容疑者は「221系」や「223系」といったJR発足後の新型車両にも乗務していたが、これらの車両では被害は確認されていない。新型車両の予備電源装置は天井パネルの裏側に設置されているなど、場所が分かりにくいうえ、ヒューズを抜き取るには複数のネジを外してパネルを開ける必要がある車両もあるという。府警は容疑者が簡単な作業でヒューズを抜き取れる旧型車両を狙ったとみている。
一方、近畿運輸局は21日午後、JR西日本に対して、乗務員の管理を徹底することなどを厳しく指導する文書を出す方針。
(2010年7月21日=asahi.com