情報ネットワーク・ローレビュー第9巻第1号
手元に届きました。
- 論説
- ライフログをめぐる法的諸問題の検討(石井夏生利)
- Consumer Generated Mediaにおける著作権法118条の適用可能性(板倉陽一郎)
- インターネットにおいて利用される電子マネーの法律構成に関する一考察(大森審士)
- アメリカにおけるSPAM規制の法構造 (佐々木秀智)
- パーソナライゼーションサービスにおける個人情報保護について――新しい制度的提案に関する考察(高崎晴夫)
- DNSタンパリングによるウェブ上の児童ポルノブロッキング手法の分析(中川譲)
- クラウドコンピューティングサービスと営業秘密の保護 (夏井高人)
- ハニーポットによる通信役務の提供と電気通信事業者の通信の当事者性に係る通信の秘密の問題に関する一考察(間形文彦、高橋克巳)
- 基調講演
- 情報ネットワークと消費者法制の課題(山本豊)
- シンポジウム
- パネルディスカッション「情報ネットワークと消費者保護の課題」(加納克利/川村哲二/坂東俊矢/沢田登志子/町村泰貴/宮武和広)
夏井先生は論説の中で、「ある電子的な情報の保有者がその情報を「秘密のものとして管理」されている「営業秘密」であるというためには、当該情報(電子データ)に対するアクセス管理が徹底されていることが重要である。<略>パブリッククラウドでは、論理必然的に、当該電子情報の保有者の管理権に優越する管理権を当該パブリッククラウドサービスプロバイダが持ってしまうことがあり得る。このことは、情報セキュリティを確保する必要上、必然的に発生することであり、それを回避するためには情報セキュリティの確保をあきらめるしかない。しかし、情報セキュリティの確保をあきらめた場合、当該情報に対する無権限アクセスを防止する措置がなくなることから、結果的に当該情報は「営業秘密」ではなくなる。」と述べられています。ホスティング・サービスでも事情は同じですから、中小企業にとって、厳しい内容ですね。