Webサイトへの投稿を媒介した接続業者にも発信者情報開示義務あり

立法(担当)者の意思としては消極でしたが、積極とする判例が続いていたところ、最高裁でも積極となりました。

インターネット上で名誉棄損に当たる書き込みがされた場合、サイトへの投稿を媒介する接続業者(プロバイダー)に発信者情報を開示する義務があるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は8日、「開示義務がある」とする初判断を示し、「義務はない」と主張した業者側の上告を棄却する判決を言い渡した。
静岡市の土木会社が「社長は暴力男」などと書き込みをされ名誉を傷つけられたとして、携帯電話を使った投稿を媒介した「NTTdocomo」に対し、2007年に発信者の住所や氏名を開示するよう求めた。
2002年施行のプロバイダー責任制限法は「不特定の閲覧者に情報を送信する『特定電気通信役務提供者』は、名誉を棄損された被害者に情報を開示する義務がある」と定めている。
一審東京地裁は2008年に「接続業者は不特定の閲覧者に直接情報送信していない」と請求を棄却したが、二審東京高裁は2009年に開示義務を認めた。司法判断が分かれた時期もあったが、現在は「義務がある」との判断が主流になっており、小法廷も「情報の流通過程の一部を構成する以上、接続業者も『役務提供者』に当たる」との判断を示した。
(2010年4月8日=毎日jp

参考までに、専門家のblogをいくつか。