大阪市営交通局の事故

人為ミスが相次いで表面化した大阪市営地下鉄で、市交通局が2007年度から3年間に国土交通省近畿運輸局に報告したミスや人身事故などのトラブルが計127件に上ることが6日、わかった。
信号無視が9件など人為ミスは42件に上り、1件は国交省から是正勧告を受けたが、「重大事故の恐れはない」と公表していなかった。文書指導も3件あり、市交通局の安全意識の低さを改めて露呈した。
同局によると、127件のうち、人為ミスは信号無視のほか、確認が遅れて信号を誤って通過したのが9件。誤操作でホームと反対側の扉を開けたミスが2件、居眠りや勘違いによるオーバーランが2件あった。
一方、ミスとは言いにくい人身事故は48件、電車などへの落書きが9件、車両故障モルタル落下などのケースも報告していた。
是正勧告は2007年5月、谷町線八尾南駅で運転士が赤信号を無視して引き込み線から本線に向けて進入したケースで、同じ時期に同様のミスが多発し、再発防止を求められた。ダイヤへの影響が少なかったなどとして、公表していなかった。
先月15日の長堀鶴見緑地線のポイント損傷事故は「衝突や脱線の恐れがあった」として重大インシデントと位置づけられ、文書指導を受けた。同29日に起きた谷町線のケーブル切断や、昨年10月に長堀鶴見緑地線で保線作業車同士が衝突し、脱線したトラブルも文書指導の対象となった。同局は「過去のミスを糧にし、再発防止に取り組みたい」としている。
(2010年4月7日=Yomiuri ONLINE