羽越本線脱線事故で不起訴

5人が死亡、33人が重軽傷を負ったJR羽越本線の脱線転覆事故で山形地検は19日、JR東日本関係者を不起訴処分としたが、その根拠は、最大風速以上に吹く突風を予測しても、列車が転覆するほどの激しい突風が吹くとは予測できなかった、というものだった。
地検によると、山形地方気象台は最大風速が18m/s以上になると予測すると暴風雪警報を発令するが、その場合でも突風は20m/s程度としか想定できず、列車が転覆するような激しい風は予測できなかったという。また、気象庁から送られる鉄道気象通報は、突風のおそれがあると発令していたが、事故原因と考えられる竜巻やダウンバーストのような局所的突風は予測できなかった、という。
また、JR東日本は運行停止について「気象情報を把握し総合的に判断する」と内規で定めており、新潟支社輸送課指令室が鉄道気象通報を受信するファクスを故障したままにし、暴風雪警報を把握していなかった点についても「刑事責任を問えるほどの過失はなく予測困難」と判断した。
地検は19日、事前にアンケートを取り、希望した被害者約10人に対し説明会を開き、処分結果を直接伝えた。
(2010年3月20日毎日jp