仙台空港鉄道、値上げを検討

「乗客が需要予測の65%にとどまっている」のが全てを物語っていると思われます。ただでさえ高い運賃に値上げの余地が大きいとは思えません。

仙台空港アクセス線を運営する第三セクター仙台空港鉄道の経営が悪化している問題で、最大株主の宮城県は21日、一部区間の運賃を引き上げる方向で検討に入った。2010〜2014年度の値上げを視野に入れる見通し。値上げすれば2007年3月の開業以来初めてとなる。
県策定の経営支援プラン行動計画骨子案などによると、運賃引き上げの対象に浮上しているのは、美田園〜仙台空港の一区間。アクセス線から東北線に乗り入れる通勤通学客には、値上げが影響しないよう考慮する。
現在の運賃は、美田園〜仙台空港が210円、仙台〜仙台空港間は630円。値上げ幅は早急に検討する。県土木部は「早い時期に引き上げたい」としてJR東日本などとの調整を急ぐ。
骨子案は乗客が需要予測の65%にとどまっている現状を指摘。このままでは2011年度に運転資金が底を尽き、2013年度に債務超過に陥ると分析した。県が金融機関から借りた資金を空港鉄道会社に建設資金として貸し付けた78億円の債権について、年間約7800万円の利子(年利1%)の免除を検討する。
骨子案は鉄道設備の所有と運行主体を切り離す可能性にも触れた。県などが将来、鉄道施設を引き取り、空港鉄道の資産を圧縮させる案が検討されるとみられる。
(2010年1月22日=河北新報