リニモに追加出資

旅客が毎年2%ずつ伸びるって、お気楽というか何というか。また5年経てば、同じ事の繰り返しになる悪寒。

愛知県は、赤字経営が続くリニモ東部丘陵線)を運行する第三セクター愛知高速交通に対し、今後4年間で28億6000万円を追加出資する方針を固めた。初年度分として2010年度当初予算案に5億6000万円を計上。名古屋市瀬戸市長久手町など沿線5市町にも新たな出資を要請する。
資本増強で経営をてこ入れする狙いだが、各自治体の財政状況が厳しさを増す中、新たな負担が議論になる場面も出てきそうだ。
リニモは2005年開催の愛・地球博愛知万博)会場へのアクセスとして開業。2年目までは1日5万人以上の利用者があったが、3年目から激減。当初需要予測3万1000人の半数程度にとどまり、赤字状態が続いていた。
愛知高速交通は2008年度決算で債務超過に陥る見通しになったことから、最大出資者の県は同年度に貸付金の一部39億9000万円を株式化し、返済負担を切り離す金融支援を初めて実施。今回は、支援の第2弾となる。
同社が策定した当面の経営改善計画によると、2013年度までに必要な追加出資は総額48億円。このうち県が28億6000万円で、残り19億4000万円は沿線5市町が負担する。5市町の2010年度の負担は計3億8000万円を見込んでいる。
県と5市町は、先行して始めた貸付金の株式化も引き続き進め、一連の金融支援で財務体質を強化する。
リニモの利用者数は、下方修正した目標「2020年後に25,000人」を達成するには毎年2%程度の伸びが必要な上、負債軽減のために2014年度以降もさらに財政支援が必要になる恐れがある。需要拡大に向けた抜本的な対策が求められ、県の担当者は「沿線の人口増や施設立地につながる開発が欠かせない」と理解を求めている。
(2010年1月10日=CHUNICHI Web)