20歳の新名人

第34期囲碁名人戦七番勝負の第5局は15日、静岡県熱海市のあたみ石亭で2日目が打ち継がれ、16時48分、挑戦者の井山裕太八段(20歳)が張栩名人(29歳)に176手までで白番中押し勝ちし、通算4勝1敗として名人位を奪取した。20歳での名人位獲得は、1965年の第4期旧名人戦林海峰八段(現名誉天元)が記録した23歳を、44年ぶりに更新する史上最年少記録。囲碁界の七大タイトルの中でも最年少獲得記録となる。井山八段は同時に九段昇段も決めた。これも2003年の張本因坊(当時)の23歳を抜き、最年少記録となった。
第一人者と次代を担うエースの2年連続の七番勝負。昨年、3勝4敗でタイトルにあと一歩届かなかった井山八段は、今期の挑戦者決定リーグ戦で8戦全勝を飾り、再び挑戦者に。迎え撃つ張名人は、この1年間にタイトルを三つ増やし、七大タイトル戦史上初の五冠王になっていた。
(2009年10月15日=asahi.com