リニア実験線の延伸工事始まる

JR東海は30日、山梨県のリニア実験線の延伸工事に着工した。実験線の全線42.8kmの建設に向けた最初の工事。実験線は首都圏〜中京圏を40分で結ぶリニア中央新幹線の路線の一部となるのが確実視されており、夢の超高速鉄道の開通に向けて大きく動きだした。
着工したのは約3kmの都留工区(都留市朝日曽雌〜上野原市秋山)で、ほとんどがトンネル区間となる。
実験線は笛吹市から大月市都留市を経て上野原市までの計画だが、1997年から大月市都留市間の先行区間18.4kmで実験を始めている。鉄道の世界最高速度581km/hを記録するなど走行試験を繰り返し、2005年には国交省から「実用化の基盤技術が確立した」との評価を得た。
実験線全線の工事は2013年度までに終え、2016年度まで3年間の実験を行う。12両の長大編成で500km/hの長距離走行を行い、都市圏の駅を想定した40mの大深度地下の模擬設備も設置する。
JR東海は2025年にリニア中央新幹線の営業運転を目指すと発表している。
(2008年5月30日=CHUNICHI Web)

<2008年5月31日追記>
首都圏は、東京、新宿の2駅が欲しいところです。

関係者によると、東海道新幹線のバイパスという位置付けから、起終点は新幹線乗り入れが条件。中京圏は名古屋、首都圏は東京か品川かだが、40mより深い大深度地下に駅を造るとしており、位置的には品川が優位だ。ただ現時点では東北、長野などJR東日本の新幹線との連絡が悪いのがネックだ。
中間駅は「高速を維持するため2、3駅程度」(JR東海幹部)としており、候補は相模原・橋本付近、甲府付近、飯田付近とみられる。同社は中間駅建設費を地元負担と試算しており、資金面からも「1県1駅」が現実的だ。
(2008年5月30日=CHUNICHI Web)