ジュニア京都検定教本訂正へ

京の蹴鞠はサッカーの元祖?――。京都市などが実施している「ジュニア京都検定」の出典となる市教委配布のテキストに「誇張や歴史認識に誤りがある」との批判が寄せられ、改訂されることになった。
検定は「多くの子どもを京都通に」との狙いで昨年11月から始まった。市教委はテキストを市立小学校4〜6年の約3万5000人に配布。授業中に検定する学校もあり、昨年は5、6年の約2万人が受検している。
ただ、水野直樹京都大教授(日朝関係史)ら研究者14人は、昨年から検定方法やテキストの内容を批判し、市教委に問題点を指摘していた。
水野教授らは「日本のサッカーのルーツは、初春に下鴨神社で行われている蹴鞠」とのくだりや、「(江戸時代に)京都は『天皇のおひざもと』として、(江戸や大阪とともに)『三都のにぎわい』と呼ばれました」「(平安京以前には)オオツノシカがのしのしと歩いていた」などの記述に問題があると指摘。「着物を着ると、女の子はしぐさがやさしくなり、男の子もとても礼儀正しくなります」という表現にも問題があるとしている。
市教委は記述の削除など十数カ所の改訂を検討。「テキストの内容が間違いとは考えていないが、より良いものにしたい」としている。
(2007年11月28日=asahi.com)