ITT(Innovative Technology Train)

営業運転を開始しているJR東日本キハE200系と比べて、どちらが優っているのでしょうか?

JR北海道は、世界で初めての『鉄道車両用モータ・アシスト式ハイブリッド駆動システム』を搭載した車両(ITT)を開発しました。この車両の駆動システムは動力性能の向上と省エネ・環境負荷低減のトレードオフを解決したコストパフォーマンスの高い次世代車両用ディーゼルハイブリッドシステムです。

  1. 車両の特徴
    1. 低速域ではエンジンを使わず、モータによる走行が可能で、駅出発時の騒音を低減できます。
    2. アクティブシフト変速機により駆動効率が向上し、かつブレーキエネルギーをモータで回生(電力に変換、再利用)するため、動力性能を向上させることができます。
    3. エンジンの動力と、バッテリ、コンバータ/インバータ、モータから得られる動力を協調させ、コストパフォーマンスが向上します。
    4. 変速時のショックをモータが連続的に吸収しながら変速するため、乗心地が向上します。
    5. 排気ガス中の二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)を低減できる環境に優しい車両です。
  2. システムの構成
    1. モータを持ったアクティブシフト変速機、コンバータ/インバータ、バッテリ及び制御装置で構成されています。
    2. 車輪への動力伝達方法
      1. エンジンからアクティブシフト変速機を介する方法
      2. モータから変速機を介する方法
      3. 1と2を併用する方法
      4. ブレーキ時はモータを発電機としてバッテリに充電
    3. 走行パターン
      1. モータ走行
      2. エンジン走行
      3. モータとエンジンを併用したモータアシスト走行
      4. 回生
  3. 試験走行
    • 11月から来年1月頃まで、営業線での走行試験を行い、車両性能の確認、燃費測定等を行う予定です。

(2007年10月24日=JR北海道