中華航空機炎上

新鋭機がどうしたのでしょう?

20日10時半頃、那覇空港台北那覇行きの中華航空B737-800型機(乗客157人、乗員8人)が着陸後、駐機場で爆発、炎上した。県などに入った情報によると、乗客乗員は全員無事。
那覇空港事務所によると、炎上したのは中華航空120便で、台北20日9時23分に離陸、那覇に10時27分に着陸した。
国土交通省などによると、航空機は10時27分に着陸、同34分頃、41番スポットに入った直後に左側エンジンが爆発し、発火した。乗客は脱出シューターで脱出した。管制官によると、駐機するまで航空機に異常はなかった。その後、化学消防車が出動、消火活動に当たった。機体は真っ二つに折れている。炎上していた航空機は11時37分に鎮火した。滑走路は事故発生と同時に閉鎖されたが、11時に解除された。
(2007年8月20日琉球新報

<2007年8月21日追記>
中華航空じゃなくてもアルミ合金製なんですが、何か?最新鋭機じゃなくてもアルミ合金製なんですが何か?わけのわからん記事です。(藁)

中華航空機、熱に弱いアルミ合金製 短時間で無残な姿に
那覇空港で炎上した中華航空B737-800型機は、エンジン付近から出火後、短時間で機体全体に火が回り、胴体がひしゃげるように変形して、無残な姿をさらした。軽量の素材を使って燃費を向上させた最新鋭のジェット旅客機は、出火すれば火の回りが早いというもろさを抱えている。
「航空機に多く使われるアルミ合金は熱に弱い。初期消火に失敗すればひとたまりもない」
航空事故調査や航空機の構造に詳しい藤原洋氏(元・運輸省航空事故調査委員会首席航空事故調査官)は指摘する。
例えば、アルミ合金の一種であるジュラルミンの場合、鉄の1/3の重さで機体の軽量化に役立つ。しかし、約1200度で溶ける鉄に比べて熱に弱く、650度程度で溶け始める。
(2007年8月21日=asahi.com

アルミ合金が火災に弱いことは、フォークランド紛争(1982年)で問題になっています。
<2007年8月22日追記>

中華航空機炎上事故について、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は21日午後も引き続き調査を実施し、右主翼とエンジン接続部の「パイロン」付近の破損状況を念入りに確認した。同委員会は「パイロン」内部の燃料配管が破断して大量に流出した燃料がエンジンの熱で発火した可能性もあるとみて、22日以降、パイロン部分の燃料配管の調査を重点的に進める方針だ。
関係者によると事故が起きた国際線ターミナル前の駐機場(41番スポット)に向かって事故機が進行している時点で「整備士は右主翼付近から大量の燃料が漏れているのを離れた所から確認した」と語る。さらに第2エンジンから発煙していたため、無線を通じてエンジン停止と乗客の緊急脱出を機長に指示した。
県警などの捜査に対しても整備士は「右エンジンのつけ根(パイロン)の部分とエンジン下の方から滝のように流れ出ていた。飛行機がまだ動いている時に燃料が流れており、止まる前に火が出た」と説明している。
一方、国土交通省航空局も「どれだけの燃料が漏れたのか未確認だ」としながらも「外部から見て(燃料が漏れているのが見えるほど)分かるのなら(流出量は)多めだ」との認識を示している。
事故機は7920kgの燃料を積み台北を離陸。那覇空港着陸の時点で当初の約60%に当たる4717kgの燃料が残っていたことが国土交通省による中華航空の聞き取りで明らかになっており、この燃料が何らかの原因で機外に流出し、激しい爆発と延焼を招いたとみられる。
どの時点で燃料漏れが発生したのかなど詳細は明らかになっていないが、那覇空港の管制と事故機の機長との交信で、通常通りの着陸許可が出されていることが同省の調べで分かっており、機長は着陸まで燃料漏れを認識していなかったようだ。
同省は事故機が多量の燃料漏れを起こしていたことを重視。主翼の燃料配管から燃料漏れが発生し、炎上事故につながった可能性があるとの判断から、事故機と同系列エンジンを搭載するB737型機を保有する航空3社に燃料配管と燃料ポンプの緊急点検を指示した。21日午前、国内機に異常はなかったと発表した。
(2007年8月22日=琉球新報

荷物の補償限度は意外と低いのですね。

那覇空港20日炎上した中華航空機では、乗客の荷物のほとんどが焼失してしまった。中華航空側は荷物への補償として、1kgあたり1,000台湾ドル(約3,500円)で、荷物一つの最高額は20,000台湾ドル(約70,000円)を基準とする方向だ。しかし、地元の報道などによると、乗客からは「安すぎる」「カバンだけでその値段になる」と不満が出ている。中華航空側も「補償基準は最終決定ではない」としている。
国際線の航空機事故の賠償額などを定めたワルソー条約では、乗客の荷物に対して航空会社が支払う最高限度は1kgあたり20米ドル(約2,300円)と決めている。中華航空は台湾の法律に基づき、同条約より高い補償を出すという。だが20,000台湾ドルが上限なので荷物が20kgを超えても20,000台湾ドル以上は出ない。
この基準は日本人を含む全乗客に適用される。だが中華航空に重大な過失や「無謀な行為」があった場合、この上限基準は外れるという。
(2007年8月22日=asahi.com

<2007年8月24日追記>
類似の事例があったのですね。

那覇空港中華航空120便(B737-800型機)が爆発炎上した事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は23日、右主翼内部で脱落したボルトが燃料タンクを突き破り、2〜3cmの穴が開いていたと発表した。
このボルトは、燃料タンクに組み込まれている主翼前端部のスラットを動かす装置から脱落したものとみられ、この穴から燃料が漏れていた。
事故調は今後、なぜ短時間のうちに大量の燃料が流出したのかを解明するため、事故機の燃料系統の調査を進める。
国交省は同日、同型機、同系列機計23機を保有する日本航空スカイマークエアーニッポンの3社に対し、航空法に基づき、スラット周辺部品のボルトについて緊急点検を命じた。
スラットは機体の揚力を調整するもので、飛行中は主翼前端部に格納されるが、離着陸時には油圧装置によって作動して主翼前端からせり出し、着陸後に元の位置に格納している。
事故調によると、穴が見つかったのは、両翼に計8か所あるスラットのうち、右主翼エンジンに近い5番スラットを前後させるため、燃料タンク内に約30cm組み込ませた部分。後端部分には、組み込み部分からの飛び出しを防ぐための部品がボルトとナットで留められている。
事故調は燃料タンクが損傷した経緯について、〈1〉ボルトが何らかの原因で脱落〈2〉着陸後、スラットが収納される際にボルトが燃料タンク壁面に挟まる〈3〉ボルトが押し込まれ壁面を貫通――の順で発生した可能性があるとみている。ボルトがいつ脱落したかについては特定できていない。燃料はこの穴を通じて漏れ始め、主翼外板と燃料タンクとのすき間にたまった後、主翼下の外板のすき間やエンジンをつり下げる「パイロン」などを通じて、機外に流出したとみられている。
国交省によると、類似事例は国内ではないが、海外では2例報告があり、うち1件では実際に燃料漏れが起きていた。米ボーイング社が2005年12月、航空各社に点検を行うよう呼びかけている。国内の航空各社では、スラット周辺は、6000飛行時間ごとに目視での点検が行われるが、ボ社の整備マニュアルではボルトの緩み確認までは求めていないという。
事故調は23日の検証で燃料タンク内部を調べた結果、ボルトが燃料タンクの壁面に突き刺さっているのが見つかった。事故機の検証は24日以降も続けられ、整備士が燃料漏れを目撃した右主翼パイロン周辺を含め、燃料管や燃料ポンプなどに異常がなかったか調査を進める方針。
(2007年8月22日=Yomiuri On Line)

<2007年9月8日追記>
どうも緩みやすいようです。

保有するB737-800機13機を緊急点検していた中華航空は、スラットのボルトを締めるナットのうち、100個に緩みが見つかったと発表した。
同航空の整備部門責任者によるとスラット部分のボルトは13機合わせて計208本*1で、その約半分で締め方が基準値より緩いことが分かった。同航空は「問題のナットはすべて締め直したため安全上の問題はない」としている。
炎上事故後、米連邦航空局は同系機を運航する世界の航空会社にボルト部分の点検を求めていた。
(2007年9月8日=asahi.com

*1:16本/機