離陸機の前を着陸機が横切る

かなり危ない状況だったようです。

27日21時10分頃、新千歳空港を離陸しようとしていた羽田行きのスカイマーク730便(乗客乗員158人)のパイロットが、前方の滑走路を羽田発新千歳着の全日空79便(同246人)が横断しているのに気づき、離陸滑走を中断、約1時間15分遅れで離陸した。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、航空法の「重大インシデント」に該当するとして、28日、調査官3人を現地に派遣する。
新千歳空港の管制業務を担う航空自衛隊千歳基地は「管制官の誤指示によるものと考えられる」として原因を調査している。
(2007年6月28日=Yomiuri On Line)

北海道新聞の方が詳しく載っているようです。

新千歳空港で27日夜、スカイマークの羽田行き730便(B767)が離陸しようとしたところ、同空港に着陸した全日空の羽田発79便(B777)が滑走路前方を横切ろうとしたため離陸を中止した。スカイマーク機の乗客・乗員158人に怪我はなかった。
両機はそれぞれ「離陸」「横断」の許可を管制官から受けており、同空港の管制を担当する航空自衛隊千歳基地は、管制官の誤指示が原因と判断。国土交通省は衝突事故につながる恐れがある重大インシデントとして、28日午後、航空・鉄道事故調査委員会の調査官三人を同空港に派遣した。
同基地などによると、21時10分頃、スカイマーク機は2本ある滑走路(各3,000m)のうち西側のA滑走路を使用し、離陸のため滑走を開始。166km/hまで速度を上げたところで、機長が1,500m以上前方を横切ろうとした全日空機(乗客・乗員243人)を視認し、停止した。スカイマーク機が停止した位置から全日空機が横断した場所までは少なくとも1,000m以上あったとみられる。
全日空機は直前の21時5分頃、東側のB滑走路に北側から着陸し、A滑走路を横断して、空港ターミナルビルに向かう途中だった。
同省などによると、衝突事故につながる危険性のほか、スカイマーク機の機長がブレーキ操作などを慌てれば、滑走路を逸脱するなど別の事故が発生した可能性もあったという。
空自によると、通常の管制業務では、滑走路上に複数の航空機がある場合、離陸か滑走路横断の完了を確認してからどちらかに許可を出すことになっているが、今回は何らかの原因で許可が重なってしまったという。
スカイマーク機は、いったんターミナルビルに戻り、過熱したブレーキを冷却した後、定刻より約1時間20分遅れで、羽田に向け、出発した。
同基地は「管制官にミスがあったと認識している。今後危険な事案がないよう、適正な管制業務に努める」としている。
(2007年6月28日=北海道新聞