津山線で脱線

現場は、この辺でしょうか。

19日5時30分頃、JR津山線牧山〜玉柏間で、津山発岡山行き下り始発列車(ワンマン運行、2両編成、乗客25人)が脱線、線路脇の立ち木にもたれかかるように横転。約5m下の県道への転落は免れたが、乗客24人と運転士(44歳)が岡山市内の病院に搬送された。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、現地に調査官2人を派遣し、岡山県警と合同で現場を検証した。
同線は単線で現場は右カーブにさしかかる付近。線路脇に割れた岩(縦約4.8m、横約5m、高さ約1.8m、重さ100t)があった。周辺のレールが約20mにわたって湾曲。レールには亀裂(約1cm)があり、同社は列車が通過する前に西側の斜面からの落石で、レールが破損し、脱線したとみられる。
また、岩の一部は線路から東約10mの県道わきの旭川の河川敷地に落ちていた。岡山西署は同日3時50分頃、「道路が陥没している」という110番通報を受け、付近の道路を通行止めにしていた。岡山市内では18日午後から断続的に雨が降り、地盤が緩んでいたらしい。
運転士は「65〜70km/hで走行中、笹の枝があるのが見えたので、非常ブレーキをかけたら傾いた」と話している。現場から南約1.5kmの場所でも昨年2月に土砂崩れがあり、回送列車の運転士が軽傷を負う事故があり、JR西日本は現場に落石警報機を設置していたが、今回の現場にはなかった。
(2006年11月19日=Yomiuri On Line)

<2006年11月22日追記>
かなりの衝撃だったようです。

落石が直撃したとみられる現場のレールは、約60mにわたり最大約70cm、カーブの外側にずれていた。
ずれの最後部の線路脇に、崩落したとみられる5m大の岩(推定約100t)があった。百数十m上方の山の斜面には岩盤がはがれた跡があり、国交省航空・鉄道事故調査委員会は「10cmへこむのは相当な力」として、岩がレールを直撃した可能性を示唆している。
(2006年11月22日=山陽新聞

<2006年11月24日追記>
かなり際どかったようです。

現場の西側斜面から崩れ落ちた二つの岩のうち線路脇で見つかった推定100tの岩(縦約4.8m、横約5m、高さ約1.8m)は、列車が現場にさしかかる約1分前に落下していた。列車は数百m手前を走行していたとみられ、間一髪、直撃を免れたことになる。
列車は津山駅発の始発で、牧山駅を午前5時29分に出発した後、南約700mの右カーブで5時32分に脱線。線路脇の岩の近くでは、レールと、レールに沿って設置されていたCTCのケーブルが落下の衝撃で切断されていた。レールには微弱電流が流れ、電流の流れが止まると、近隣の信号が赤になる仕組みがあり、事故に遭った列車が牧山駅を出発した直後、同駅の信号は赤に変わっていた。さらに、同じころ、津山駅のCTC制御室で異常警報を確認。原因を調べている最中に脱線事故が起きたという。これらの装置の分析の結果、落下時刻は5時31分頃と判明した。
また、河川敷で見つかったもう一つの岩(縦約5m、横約4.5m、高さ約0.9m)は、線路と県道を横切って止まっていた。3時50分に、県道に岩の落下でできた陥没の跡があると110番があったことから、落下時間はそれより前とみられる。
(2006年11月24日=Yomiuri On Line)