ACCA苦戦

やはり業界再編でしょうか。

ADSLサービス5位のアッカ・ネットワークスは10日、2006年6月中間決算を発表した。4〜6月期の個人向けADSLサービス契約数が3四半期連続で純減となった。純減幅は約46,000件と過去最大。競合他社も頭打ち傾向で、ブロードバンド通信の主役の座は光ファイバーに急速に移行しており、「脱ADSL」に向けた取り組みが明暗を分けそうだ。
ACCAは、個人向けADSLサービスを中心に展開し、シェアは8.6%(今年3月末)。ADSLサービス契約数は、昨年のピーク時に125万件を超えたが、今年6月末には116万件まで減った。ACCAは「ADSLは今後も厳しい」(幹部)と判断。USEN系事業者と提携して光ファイバーに参入したほか、駐車場監視など法人向け事業の拡大で収益構造の転換を急ぐが、通期業績の大幅下方修正を余儀なくされた。
一方、ADSLサービス4位のイー・アクセスは、同業のACCAの株式を約10%取得して大株主に浮上。イー・アクセスは「純投資」と説明するが、業界再編の機運も高まっている。
市場環境の変化には、光ファイバー化を進めるNTTグループの存在が大きい。2010年までに光ファイバーで3,000万契約を目指す中、3月にはADSLが初めて純減に転じ、通期で10万件の純減となる見通し。光は1年で約1.8倍に急増し、累計契約数も光がADSLを上回る計画を立てる。
ADSL事業でNTTに対抗してきたソフトバンクも、「今後はADSLには積極的にヒト・モノ・カネを投入しない」(孫正義社長)と断言。微増を続けるが、余地が少ない新規獲得より、既存顧客の単価引き上げに重点を置く。
ADSL各社が次に触手を伸ばすのが、無線ブロードバンドだ。携帯電話事業に参入したソフトバンクイー・アクセスをはじめ、次世代通信の「WiMAX」の実証実験も始めている。ACCAの坂田好男社長は10日、「ADSL光ファイバーWiMAXなど総合的にメニューを増やす必要がある」と述べた。選択肢の多様化で生き残りを図る考えだが、経営の先行きは不透明だ。
(2006年8月11日=iZa)