東北運輸局は13日、JR東日本仙石線陸前大塚−陸前小野間(6.4キロ)で計画する一部ルートの内陸移設を認可した。仙石線東日本大震災で被災した高城町−陸前小野間(11.7キロ)の復旧工事に必要な手続きが全て整った。JRは同日、2013年度早々に工事に入り、15年中の全線復旧を目指す方針を明らかにした。

 移設対象は、宮城県東松島市陸前大塚駅東側から鳴瀬川橋まで。東名、野蒜両駅を高台の市街地復興土地区画整理事業地内に建設し、現行より約500〜600メートル内陸側を走るようにする。両駅の設備は現在と同様にする。
 移設に伴い、陸前大塚−陸前小野間は現行と比べ約1.2キロ短くなる。標高は現在の約2メートルから約22メートルに上がる。用地は東松島市が取得済みで、JRは最終的に買い取る。現ルートは線路撤去後に市に売却する方針。
 7カ所あった踏切はゼロにし、道路と交わる4カ所は全て立体交差化する。震災発生直後に遮断機が下りたままになって渋滞を招き、津波から逃げる住民の妨げになったことを教訓にした。
 JRによると、ルート移設や駅舎建設により、高城町−陸前小野間の復旧費は100億円を超える見通しという。

(=河北新報