25日午前0時ごろ、神奈川県横須賀市追浜町1の京浜急行本線で、三浦海岸行き下り特急が土砂に突っ込み脱線した。横須賀市消防局によると、急停止した際に白い煙が上がり、けが人が5人(男性4人、女性1人)出ているという。重傷者はいない模様。

 神奈川県警田浦署などによると、土砂がトンネル付近で線路上に流れ込んだため、急停止したものの電車の前方3両分が乗り上げる形で脱線したという。現場は追浜駅京急田浦駅の間。

 電車の後ろから2両目の車両に乗っていた乗客の男性(63)は「寝ていたら、急にガツンと衝撃を感じて、電車が止まった」と話した。この男性によると、トンネルを入って100メートルくらいの地点で、列車はレールを完全に外れ、上りと下りの線路の間に落ちているという。

 乗客は電車から降りて京急社員に誘導されて、トンネルの南側の出口に向かっているという。

 京急では、97年4月にも京急田浦安針塚駅間で普通電車が大雨の影響で崩れてきた土砂に巻き込まれ脱線し、19人が重軽傷を負う事故が発生している。
同署によると、運転士は「土砂が急に目の前に崩れ落ちてきて、急ブレーキをかけたが間に合わず突っ込んだ」と話している。

 気象庁によると、横須賀市付近では24日午後11時からの1時間で88ミリの雨量を観測。午後11時20分ごろには1時間あたり約100ミリの記録的短時間大雨情報が出されていた。

 京急は25日、始発から、京急本線の金沢八景−堀ノ内間で運転を見合わせ、午前10時24分から逸見−堀ノ内間は運転を再開し、バスによる代行運転を実施している。

(2012年9月25日=毎日jp