岩泉線、廃止へ

このたび岩泉線につきまして、誠に残念ながら鉄道での復旧を断念せざるを得ないという結論に立ち至りました。
既にご承知のように、岩泉線は2010 年7 月31 日に押角・岩手大川間で発生した列車脱線事故により全線で運転を見合わせ、バスによる代行輸送を行ってまいりました。
この事故を受け、社外の有識者を交えた「岩泉線土砂崩壊災害原因調査検討委員会」による全線の安全性評価等を行った結果、今回と類似した大規模な岩盤崩壊の恐れのある箇所が23 箇所、列車の運行に影響のある大きな落石の恐れのある箇所が88 箇所あることが判明しました。
この委員会での安全性評価に基づき、当社として列車の安全運行を確保するために必要な方策を検討した結果、安全対策に少なくとも約130 億円の費用と長期にわたる工事が必要であることが明らかになりました。
一方、岩泉線をご利用になるお客さまは年々減少し、当社発足時の1987年度は180人/日(1日1km あたりの通過人員)だったものが、事故発生前の2009年度には46人/日と、約4分の1にまで減少して、大変少ないご利用状況となっております。
こうした状況に鑑み、今後、鉄道に代わる地域のみなさまの交通手段を当社が責任をもって確保するという立場から、岩手県宮古市、岩泉町等、関係のみなさまに対して、引き続き十分なご説明と協議を丁寧に行ってまいりますので、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
(2012年3月30日=JR東日本