十和田観光電鉄、公的支援を申入れ

ここも厳しいようです。

十和田観光電鉄の白石鉄右エ門社長は18日、十和田市内で開かれた「十和田観光鉄道活性化協議会」(会長・小山田久十和田市長)の場で、厳しい経営が続く同社の鉄道事業について「財政支援がなければ存続は難しい」との考えを明らかにした。その上で、十和田市など沿線2市1町の首長らに対して、本年度から10年間で約5億2千万円の財政支援を要請した。公の場での要請は初めて。
(2011年8月19日=東奥日報

<2011年8月25日追記>
止めたがっている相手に疑問を投げかけても意味がないでしょうね。

十和田観光電鉄の鉄道事業が、存続の岐路に立たされている。
少子化や沿線人口の減少で主力の定期券販売が落ち込む中、昨年12月の東北新幹線全線開業で客離れが加速したためだ。同社は沿線自治体に財政支援を求めているが、財政状況が厳しい行政側は及び腰で、協議が難航するのは必至だ。
「支援がなければ存続は難しい」。同社の白石鉄右エ門社長は18日、十和田、三沢、六戸の沿線3市町の首長らが集まった会合で断言した。支援要請額は今後10年間で計5億2000万円。それが得られなければ鉄道事業から撤退することを宣言したわけだ。
同社の試算では、2020年度までに駅舎の改築や変電所の更新など計約7億3000万円の設備投資が必要になる。一方、鉄道事業は毎年赤字を計上しており、累積損失は約8000万円と予想。自力での資金調達は困難といい、国と県の補助計約3億円から差し引いた残る全額などを沿線自治体に肩代わりするよう求めたことになる。
同社が行政にすがるのは、将来の利用者増が見通せないためだ。昨年の利用者数は45万9000人で、この10年で約24万人減少。営業収入も同期間に3割減った。主力となる高校生の通学利用の減少が主な要因だ。
さらに、東北新幹線七戸十和田駅の開業が苦境に追い打ちをかける。同駅から十和田湖など観光地までの二次交通が着々と整備されており、同新幹線八戸駅から青い森鉄道を経由しないと利用できない十和田観光電鉄の劣勢は明らか。実際、観光シーズンの4月から7月までの定期券以外の利用者数は前年比約70%にとどまった。
同社は利用者数の減少は今後も続くと予測しており、昨年度約1億1800万円だった営業収入は、2020年度に9300万円まで減少すると見ている。
一方、支援を要請された沿線3市町も苦しい台所事情は同じで、簡単に応じられる状況にはない。同社の業績が好転する見通しがない以上、追加支援を求められる可能性もある。三沢市の山本文彦政策調整課長は「経営環境は年々悪くなるばかりで、いずれ行政で丸抱えすることになりかねない」と警戒する。
3市町は、議会や住民の意向などを踏まえて9月中にも支援の是非を最終判断する。十和田市の小山田久市長は「運行が赤字だから設備投資に1円も出せませんという会社の言い分に、果たして住民が納得するのか」と疑問を投げかける。
(2011年8月25日=YOMIURI ONLINE