中国で高速列車が追突、転落

保安装置はどうなっていたのでしょう。

新華社電などによると、中国東部・浙江省温州で23日20時半(日本時間同21時半)頃、北京発福建省福州行きの高速鉄道列車が、止まっていた浙江省杭州発福州行きの別の高速鉄道列車に追突、杭州発の列車の2両が橋から川へ落ちた。
新華社は、この事故で11人が死亡、89人が病院に運ばれたと伝えた。上海の日本総領事館は日本人が事故に巻き込まれていないかどうか調べている。突貫工事が続いた中国の高速鉄道は、安全性をめぐって不安の声が出ていた。
中国中央テレビによると、事故当時に付近で落雷があり、信号システムが故障した杭州発の列車が線路上で止まっていたという。追突された列車は満員で、1,300〜1,400人の乗客がいたとの情報もある。落下した車両に乗客が閉じ込められている模様。現場で消防当局の救急隊員が乗客の救出にあたっている。
(2011年7月23日=Yomiuri ONLINE

<2011年7月24日追記>

中国浙江省温州市で23日夜におきた高速鉄道の追突・脱線事故は、高架から転落した4車両の乗客を含む35人が死亡、けが人は192人に達した。中国鉄道省は事故の原因を「落雷による設備故障」と説明するにとどめているが、緊急停止の安全制御システムや信号、連絡体制などに問題があった可能性がある。
鉄道省の王勇平報道官が24日夜、会見した。事故は20時38分(日本時間21時38分)に発生。落雷による停電で緊急停車していた浙江省杭州福建省福州行き高速鉄道D3115号に北京南発・福州行きD301号が追突した。双方の列車とも16両編成で、合計6両が脱線、うち追突した4両が高架橋から落下した。乗客は合計千数百人とみられ、死傷者数もまだ混乱している。外国人2人が亡くなったが、在上海日本総領事館によると、死傷者に日本人はいない。
国家の威信をかけて建設し、最高速度や営業距離で世界一を誇る高速鉄道で多数の死傷者が出たことは、共産党政権に衝撃を与えている。胡錦濤国家主席は24日、調査と被害者の慰問のため、張徳江副首相を現地に派遣。上海鉄路局長ら3人の幹部を免職した。
(2011年7月24日=asahi.com

<2011年7月25日追記>
真面目に原因を追究するつもりはないようです。海外に鉄道を輸出する気があるなら、やってはならないことです。

中国浙江省温州市で23日夜、追突・脱線事故を起こした北京南発・福建省福州行き高速鉄道の運転席は翌朝すぐ、横の野菜畑に掘られた穴に捨てられた。作業員は重機のアームを何度も振り落とし、計器が入った運転席を細かく粉砕した。
先頭車両の運転席部分の撤去は、高架橋から落下して損傷した車両の中で最も早く始まった。重機数台がアームで車体を転がしながら穴に投棄。運転席の内部を細かく検証する様子は見られなかった。
(2011年7月25日=asahi.com

<2011年7月28日追記>
設計の誤りなのでしょうか?それとも施工の誤りなのでしょうか?

新華社通信によると、中国浙江省温州で起きた高速鉄道事故で、国務院(政府)の事故調査チームは28日、第1回全体会議を開き、「温州南駅の信号機に重大な設計上の欠陥があったため落雷で信号機が故障し、赤信号を表示すべき区間の信号機が誤って青信号を表示した」とする初期分析結果を報告した。
後続列車が青信号を見て走り続け、追突した可能性を指摘したもの。中国政府として、設計上の人的ミスが追突を引き起こした可能性を認めたものだ。信号機システムは2009年9月に導入されたという。
(2011年7月28日=YOMIURI ONLINE