仙台平野で大規模な地盤沈下

石巻市内でも、満潮時に浸水する地区がでています。

東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台平野の沿岸部で、広範囲の地盤沈下によって海抜0m以下となった面積が地震前に比べ5.3倍、16km2に拡大したことが28日、東北地方整備局宮城県の調査で分かった。高潮や大雨で浸水の恐れがあるとして、被害想定エリアの分析などを急ぐ。
仙台湾に沿って、七北田川河口から宮城・福島県境までの全長66kmを対象に調査。航空機からレーザー測量を実施し、データを解析した。
地震前に3km2だった海抜0m以下の範囲は、3月11日の地震後に16km2に拡大。仙台湾の大潮の平均満潮位(海抜70cm)以下の面積は、32km2から1.8倍の56km2にまで広がった。過去最高潮位(海抜160cm)を下回るエリアも、1.3倍にまで増えた。
地盤沈下はおおむね25〜50cm。海抜0mを下回った地域は、七北田川河口付近や仙台空港(名取、岩沼両市)周辺、鳥の海(宮城県亘理町)一帯などで目立った。巨大津波により、仙台湾の海岸堤防は、至る所で損壊。海岸沿いの砂丘地帯も浸食によって部分的に失われた。
宮城県河川課によると、4月16〜18日の大潮の際には大きな浸水被害は確認されなかったが、高潮や大雨などの影響を受けやすい状態にある。
東北地方整備局は現在、損壊した堤防の応急的な補修を進めており、6月中に完了させる方針だ。整備局は「今回のデータを基に関係自治体などと連携し、排水ポンプの配備など梅雨や台風の時期に備えたい」(河川部)と説明。今後、県内全域での測量調査を検討している。
(2011年4月29日=KOLnet)