信楽事故の責任割合

JR西日本:SKR=3:7」だそうです。JR西日本としては、株主への説明責任の問題があるので、ハッキリした形で決着させることが必要だったのかもしれません。内容的には、JR西日本の実質勝訴といったところでしょうか。

滋賀県信楽町(現・甲賀市)の信楽高原鉄道(SKR)で1991年5月に起きた列車衝突事故で、SKRとJR西日本の責任の割合が争われた訴訟の判決が27日、大阪地裁であった。
遺族側への補償金の5割強にあたる約31億円を負担した原告のJR西日本は「赤信号で列車を発車させたSKRの責任が9割で、JR西日本の責任は1割分の約5億円だ」と主張し、SKR側に約25億3千万円の支払いを求めていた。これに対し、田中敦裁判長は「JR西日本の責任は3割」と判断し、SKRに約11億1400万円の支払いを命じた。被告の滋賀県甲賀市への請求は棄却した。
同事故をめぐっては、業務上過失致死傷罪などに問われたSKRの元運転主任らを有罪とした大津地裁判決(2000年3月)や遺族への損害賠償を命じた民事訴訟の判決がJR西日本の安全対策の不備を認めたが、責任の割合について司法が判断を示すのは初めて。
(2011年4月27日=asahi.com

<2011年4月28日追記>
遺族補償を放置して争っているなら非難されても仕方ないかもしれません。この記事、一体、何が言いたいのでしょう?

まだもめていた信楽事故、加害者対立に遺族憤慨
信楽高原鉄道(SKR)事故の過失割合を判断する訴訟で、大阪地裁は27日、JR西日本の過失割合をJR西日本側の主張より大きい「3割」とする判決を言い渡した。
事故は来月14日、発生から20年を迎える。長期間続いた「加害者同士の争い」に、遺族はあきれた表情を見せ、SKR側の弁護士も「申し訳ない」とわびた。
「まだ金銭面でもめていたことに憤慨している」。事故で妻を亡くした77歳の男性*1兵庫県宝塚市)は読売新聞の取材に、そう語った。
事故を巡る刑事裁判と遺族らの損害賠償請求訴訟はすでに確定し、いずれの裁判もJR西日本の責任に言及した。ただ、過失割合は簡裁での17回にわたる調停でも折り合いがつかず、今回の訴訟も3年近くを要した。
(2011年4月28日=YOMOURI ONLINE)

<2011年5月10日追記>

滋賀県甲賀市信楽町で1991年5月、信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車同士が正面衝突し、42人が死亡した事故を巡り、JR西日本が支払った補償金などの清算をSKR側に求めた訴訟で、大阪地裁がSKRに約11億1000万円の支払いを命じた判決について、SKRは10日、臨時の取締役会と株主総会を開き、控訴しないことを決めた。
JR西日本が債権を全額放棄し、支払いを求めないことを表明したため。
訴訟でJR西日本はSKRの過失を9割と主張し、これまでの支出額との差額として約25億3000万円を請求。
今年4月27日の判決は、過失割合はSKRが7割、JR西日本が3割と認定した。11億円もの支払いで経営の危ぶまれたSKR側が、JR西日本に債権放棄を要請。「SKRが地域の公共交通機関として存続することが望ましい」として応じた。
(2011年5月10日=YOMOURI ONLINE)

*1:本名になっていたのですが、外しました。