AT&T、T-Mobile USAを買収へ

米通信大手AT&T20日、欧州通信大手Deutsche Telekomの米携帯電話部門を買収すると発表した。買収金額は約390億ドル(約3兆1500億円)。携帯加入件数で2位のAT&Tは買収により、現在1位の米Verizon Wirelessを大きく引き離す最大手になる。米国ではスマートフォン(高機能携帯電話)や次世代の高速無線通信サービスを巡る競争が激しさを増している。今回の買収が新たな業界再編の呼び水となる可能性もある。
AT&Tが買収するのは、米携帯4位のT-Mobile USA。買収は現金と株式交換を併用する。現金と株式の比率は変わる可能性があるが、今回の取引により、Deutsche TelekomはAT&Tの最低5%の株主になる。米規制当局の承認が必要だが、両社は1年以内の手続き完了を見込んでいる。
AT&Tは米AppleスマートフォンiPhone」の独占販売を原動力に加入者を伸ばしてきた。ライバルのVerizon Wirelessが今年2月からiPhoneの販売を開始したことから、新たな成長戦略を模索していた。一方、Deutsche Telekomは米国で低料金路線を打ち出してきたが、加入者の伸び悩みに直面していた。
(2011年3月21日=nikkei.com)