鳩山首相が辞任、小沢幹事長も
鳩山由紀夫首相は、2日午前に開かれた民主党の両院議員総会で辞任する意向を表明した。米軍普天間飛行場の移設問題で社民党の連立離脱を招いたこと、政治とカネの問題で民主党に迷惑をかけたことを理由として挙げた。首相は、民主党の小沢一郎幹事長にも辞任を促して了解を得たことを明らかにした。民主党は役員会で、4日に両院議員総会を開き、後継首相となる新代表を選ぶ方針を決めた。国会会期延長はせず、参院選は7月11日投開票となる方向だ。新代表が新幹事長を含む党人事を行い、首相就任後に組閣する運び。鳩山内閣は、8カ月あまりで幕となった。
鳩山首相は、報道陣に公開で行われた両院議員総会で「この職を引かせていただくことになる」と述べた。民主党は直後の役員会で、新代表を4日に選ぶ日程を決めた。同日中に鳩山内閣は総辞職する。衆参本会議で首相指名選挙を行い、新代表を首相に選出する。週明けに、新首相が所信表明演説を行う。
首相は2日の両院議員総会で、普天間問題について「(移設先に決めた)沖縄県や鹿児島県・徳之島のみなさんにご迷惑をかけた。社民党を連立政権離脱に追い込んでしまった責任は取らなければならない」と述べた。
また、自らの政治資金管理団体をめぐる「政治とカネ」の問題にも触れ、「自分自身が政治資金規正法違反の元秘書を抱え、議員のみなさんには大変な迷惑をかけたことを申し訳なく思う」と陳謝。「小沢幹事長にも政治資金規正法の事件があった。幹事長にも職を引いて頂きたい、民主党再生のため、クリーンな民主党を作れると言った。幹事長も『分かった』と申された」と述べた。
また、「政権与党の仕事に国民が徐々に聞く耳を持たなくなってきた。そのことは残念で、まさに私の不徳のいたすところだ」とも語った。
小沢幹事長は、首相の辞任表明を受けた2日の常任幹事会で「党役員も総辞職するが、新内閣ができるまでわれわれは任に当たる」と述べた。
鳩山首相は1日夕、自身の進退をめぐり、国会内で小沢幹事長、輿石東参院議員会長と会談した。輿石氏は首相に退陣を促す一方、首相は続投の意思を伝えたとみられていた。小沢氏は会談後、記者団に「継続して協議するということで別れた。協議の結果を受け、必ず記者会見という形でみなさんにご説明する」とのコメントを出していた。
だが、7月の参院選で改選を迎える議員を中心に、首相の退陣を求める声は収まらず、首相は参院選での惨敗を避けるためにも退陣もやむを得ないと決断したとみられる。
普天間移設をめぐって、首相は自ら設定した「5月末決着」のため、米国との合意を優先。日米の外務・防衛担当閣僚(2+2)の共同声明に、移設先を沖縄県名護市の辺野古周辺とする方針を明記した。
だが、閣僚だった社民党の福島瑞穂党首が反発して、共同声明に基づく政府方針の閣議決定への署名を拒否。首相が福島氏を罷免したため、社民党は連立離脱を決定。選挙協力に亀裂が入る事態となっていた。
民主党は新首相のもとで、内閣支持率を回復させ、7月の参院選に向け、態勢を早急に立て直したい考えだ。
だが、民主党は野党時代、自民党政権で行われた短期間での首相の交代を厳しく批判してきただけに、新内閣が有権者の理解を得られるかは不透明だ。また、参院で過半数を大きく割り込んだ場合、新しい連立政権の枠組みを作ることができるかどうかも問われる。連立政権で与党が過半数を確保できなければ、「ねじれ国会」となり、厳しい国会運営が予想される。
(2010年6月2日=asahi.com)
そもそも、世界の警察官を自認する米国からすると、朝鮮半島の近況状況、中台国境の緊張状況、マラッカ海峡の海賊、東ティモール紛争*1に対応する部隊を、どこに置くのが適当かという話になるわけで。今、米国の揚陸艦は、佐世保にいるのですが、米国艦艇のメンテナンスができる国は、日本、韓国、シンガポールくらいでしょう。シンガポールは国土が小さすぎて基地が置けませんし、韓国は緊張状況にある地域ですから、ここもあまり適切ではありません。