WILLCOM、会社更生法申請

2.5GHz帯の割当てに際しては、事業者を決定するための評価項目に「財政的基礎に関する事項」がありました。そもそも、機構の仕事なのかどうかが怪しい案件です。

経営再建中のPHS事業者ウィルコムは18日、東京地裁会社更生法の手続き開始を申し立てたと発表した。同時に取引銀行の三菱東京UFJ銀行みずほコーポレート銀行と連名で、官民による企業再生ファンド「企業再生支援機構」に支援を正式要請した。機構は、25日までに支援を決定する見通し。機構による支援を前提とした「事前調整型」の法的整理となる。
負債総額は約2060億円。信用調査会社の帝国データバンクによると、通信会社の経営破綻では、過去最大の負債額となる。
東京地裁は同日、財産の保全処分と監督調査命令を出した。PHS事業は続けるため、約420万人の契約者に直接的な影響はない。
同社は昨年9月、筆頭株主の米投資ファンド・カーライルの主導で高速次世代通信サービス「XGP」の本格展開に向けて、過去の有利子負債の負担軽減を図り、私的整理の「事業再生ADR」手続きを開始した。
しかし、約1000億円にのぼる債権放棄額などを巡り、取引銀行団との交渉が難航。350億円にのぼる社債の圧縮や債権放棄を求めるうえで、透明性と公平性の確保が不可欠として法的整理に切り替えた。これに伴い、事業再生ADR手続きは終了した。
機構の企業支援が決まれば日本航空に続いて2例目。機構は融資するものの出資はしない見通しで、新たなスポンサーとしてはソフトバンクと国内投資ファンドアドバンテッジパートナーズが出資する方針を内定している。
ウィルコムはDDI(現KDDI)が中心となり、1995年に「DDIポケット」としてサービスを開始。非上場で、2009年3月期の連結売上高は約2030億円。日本航空の会長に就任した稲盛和夫・京セラ名誉会長が、取締役兼最高顧問を務めている。
(2010年2月18日=asahi.com

<参考>
株式会社企業再生支援機構法(平成21年法律第63号)
(機構の目的)
第一条 株式会社企業再生支援機構は、雇用の安定等に配慮しつつ、地域における総合的な経済力の向上を通じて地域経済の再建を図り、併せてこれにより地域の信用秩序の基盤強化にも資するようにするため、金融機関、地方公共団体等と連携しつつ、有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている中堅事業者、中小企業者その他の事業者に対し、当該事業者に対して金融機関等が有する債権の買取りその他の業務を通じてその事業の再生を支援することを目的とする株式会社とする。