「撮り鉄」、列車を停める

「線路外に出るのを拒む」とは何なんだと小一時間。(w

14日10時35分頃、JR大和路線の河内堅上〜三郷間の線路内にカメラを持った人が侵入していると、回送電車の運転士からJR西日本新大阪総合指令所に連絡があった。
駅員らが駆けつけると、約50人が線路脇に三脚を置くなどしてカメラを構え、3人が線路内に入っていた。JR西日本によると、臨時団体列車として走った同社所有の和風車両「あすか」の撮影が目当てだったとみられる。
線路外に出るのを拒む人もいたため、府警柏原署のパトカーが出動する騒ぎにもなった。このため、加茂発天王寺行き快速電車(6両編成、乗客約500人)が現場近くで約30分間立ち往生した。
さらに11時20分頃にも、約2km西に離れた柏原市の河内堅上〜高井田間で、カメラを持った人が線路内に入っているのを、JR難波発奈良行きの普通電車(6両編成、乗客約200人)の運転士が見つけ、約10分間運転を見合わせた。
これらの影響で上下7本が運休、12本が一部運休したほか、26本が最大約40分遅れ、約13,000人に影響した。
JR西日本によると、11時半頃、新大阪から奈良や京都をめぐる団体列車として「あすか」が現地付近を運行。車内は畳敷きの和室で、臨時のお座敷列車として利用され、年に数回しか走らないため人気があるという。現場は山沿いにトンネルとカーブが続き、鉄道マニアが撮影スポットに選んだらしい。
線路内への立ち入りは鉄道営業法で禁じられており、列車が止まった場合は刑法の往来危険罪*1が適用されることもある。JR西日本は「危険なので絶対にやめてほしい」と訴えている。
(2010年2月14日=asahi.com

<参考>
鉄道営業法(明治三十三年三月十六日法律第六十五号)
第三十七条  停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス
罰金等臨時措置法(昭和二十三年十二月十八日法律第二百五十一号)
第二条  刑法 (明治四十年法律第四十五号)、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の罪以外の罪(条例の罪を除く。)につき定めた罰金については、その多額が二万円に満たないときはこれを二万円とし、その寡額が一万円に満たないときはこれを一万円とする。ただし、罰金の額が一定の金額に倍数を乗じて定められる場合は、この限りでない。
2  前項ただし書の場合において、その罰金の額が一万円に満たないときは、これを一万円とする。
3  第一項の罪につき定めた科料で特にその額の定めのあるものについては、その定めがないものとする。ただし、科料の額が一定の金額に倍数を乗じて定められる場合は、この限りでない。
刑法(明治四十年四月二十四日法律第四十五号)
第十七条  科料は、千円以上一万円未満とする。
<2010年2月23日追記>
この際、書類送検してもらった方が、世のためになる気がしてなりません。

JR大和路線河内堅上駅付近で14日、「撮り鉄」と呼ばれる鉄道ファンが線路内に立ち入った問題で、立ち入ったのは計約10人に上ることが大阪府警への取材でわかった。府警は、人物の特定を進め、鉄道営業法違反(鉄道地内立ち入り)容疑での立件を目指す。
柏原署は22日、電車の運転士らの立ち会いのもと、河内堅上〜三郷間の踏切付近と、河内堅上〜高井田間の鉄橋付近の2カ所で約1時間半かけて実況見分した。
捜査関係者によると、踏切付近で停止した快速電車の運転士は「カメラを持った男が3、4人入っていた」、鉄橋付近で停止した普通電車の運転士は「カメラを持った男が1人見え停止した。その後脚立に乗った男4人も見えた」とそれぞれ話した。当時集まったファンは団体貸し切りのお座敷列車「あすか」の撮影が目的だったとみられる。
柏原署は当初、刑法の威力業務妨害容疑や往来危険容疑の適用も検討。だが、ファンが運行を妨害する意図はなかったとみて、鉄道営業法違反容疑の立件に絞る。
(2010年2月23日=asahi.com

*1:最高裁は、「刑法125条1項にいう「往来ノ危険」とは、汽車又は電車の脱線、転覆、衝突、破壊など、これらの交通機関の往来に危険な結果を生ずるおそれのある状態をいい、単に交通の妨害を生じさせただけでは足りないが、上記脱線等の実害の発生が必然的ないし蓋然的であることまで必要とするものではなく、上記実害の発生する可能性があれば足りる」との判断(最一決平成15年6月2日(刑集57巻6号749頁))を示しています。3人くらい撥ねても電車の脱線、転覆、衝突、破壊などの危険な結果を生ずるおそれがあるとは思えません。