関東運輸局、国際自動車のTAXI免許の取り消しを検討

自由競争社会である以上、公正競争を阻害する行為に対しては厳しく臨むのが筋でしょう。

国土交通省関東運輸局が、タクシー大手の国際自動車(東京都港区)の事業者免許取り消しを検討していることが30日、同局への取材で分かった。過去3年間の監査で、運転手の拘束時間や、乗務距離などの累積違反点数が道路運送法が定める取り消し基準の80点に達したためという。
来月16日に同社の言い分を聞く「聴聞」を実施した上で、8月中にも処分を決定。一度免許取り消しになれば、2年間再申請できないが、聴聞の結果によって「事業停止」など処分が軽くなる可能性もあるという。
(2009年6月30日=NIKKEI NET)

<2009年9月2日追記>

国土交通省関東運輸局は2日、運転手の違法な長時間労働など道路運送法違反を繰り返したとして、大手タクシー会社の国際自動車に、事業許可の12日付での取り消しを通知した。
国交省によると、大手タクシー会社の事業許可取り消しは初めて。事業許可の再申請は2年間は認められないため、この間はタクシーやハイヤーの営業ができなくなる。
ただ、グループ会社が保有するタクシー2,300台やハイヤー31台は処分対象ではなく、営業を続けられる。同社はグループ会社のハイヤーの増車を検討するとしている。
国際自動車はタクシー321台、ハイヤー589台を保有し、東京23区など都内を営業エリアとしている。
関東運輸局によると、タクシー運転手の拘束時間は2日間で21時間までとされているが、国際自動車はこの規定を超えて勤務させるなどして違反が積み重なり、違反点数が事業許可取り消し基準の「3年以内に80点超」に達したという。
(2009年9月2日=MSN産経)

<2009年9月13日追記>
こうなると、処分の実効性もあまりなさそうですね。TAXI事業を行わないフランチャイザーkmの下にTAXI事業を行う中〜小規模なフランチャイジーをつけていけば、事業許可を取り消されても痛くなさそうです。

運転手の超過勤務問題で事業許可が取り消された国際自動車は、12日から営業できなくなった。ところが同社のタクシー約300台は、別のタクシー3社でそのまま利用される見通しになった。3社はフランチャイズ契約を結んで「km」グループ入りし、タクシーは「lm」マークをつけたまま。運転手も、100人規模で転籍できるという。
国際自動車は「利用者や運転手に迷惑がかからないように対処した結果」としており、国土交通省関東運輸局も「処分後に会社側でとった善後策で、『処分逃れ』には当たらず、全く問題ない」としている。
新たにグループ入りするのは、森永タクシーなど森永グループの3社。2社はチェッカーグループに属し、1社は大手グループに属さずに営業していた。3社は今後、保有する計297台をすべて処分し、国際自動車で使えなくなったkm車を新たにリースする。運転手も100人以上受け入れる準備があるという。10月末をめどに営業を開始する方針だ。
国際自動車ハイヤー事業は別の子会社が継承する見通し。ただ、今回の処分をきっかけにハイヤーの契約解除を申し出るケースが数件あり、事業規模は縮小されるという。
国際自動車では、運転手の超過勤務や休憩時間不足などが相次いで発覚。関東運輸局は2日、大手タクシーとして全国で初めて、同社の事業許可を取り消す処分をした。車や運転手をどうするかが懸案となっていた。
(2009年9月13日=asahi.com