中海で堤防開削

場所はこの辺でしょうか。

国が干拓・淡水化事業を中止した中海で、干拓予定地を仕切る森山堤防(約3.1km)の開削工事が完了、28年ぶりに船舶が往来できるようになった。30日朝、地元選出の国会議員らが乗った船で通り初めを行った。堤防が完成した1981年以来分断された水域を行き交う船に、地元の漁師たちは「中海の漁業再生につなげたい」と期待を寄せた。
中海の干拓・淡水化事業は食糧増産を目的に1963年に開始。1981年に森山堤防が完成し、最大の干拓予定地だった本庄工区(1,689ha)と中海が遮断された。2000年に同工区の干拓中止が決定して以後は、堤防を道路として活用していたが、鳥取、島根両県の要望を受けた農水省が2007年4月から約7億円かけて、約60mを切り開いた。
本庄工区はかつて、中海屈指の漁場だったが、堤防の完成で海水の流れがほとんど止まってしまった。開削により本格的な海水の流れが復活し、漁船の往来も容易になる。中海漁協の槻宅一夫組合長(72歳)は「(本庄工区で)急に魚が取れるようになるとは思わない」と語る一方で、「潮が回るようになれば良くなっていくと思うし、これまで南側を迂回しなければたどり着けなかった漁師の負担もなくなる」と話す。
(2009年5月30日=毎日jp