SoftBank Mobileの中古端末で通話不能問題−訴訟へ−

そもそも端末は自由化されているのですから、善意取得した第三者に不測の損害を与えるような約款の有効性についても争ってほしい気がします。

中古で購入したSoftBank Mobileの携帯電話端末が突然、通話不能になる事例が相次いでいる。ローンの支払いが滞っている端末などでの通話を規制する措置を同社が取っているためだが、中古端末を購入する利用者には区別はつかず困惑が広がっている。大阪市内の中古端末販売業者は通話規制によって所有権が侵害され端末の価値が損なわれたとして、近くSoftBank Mobileを相手取り、損害賠償請求訴訟を起こす。
問題となっているのは、SoftBank Mobileの第3世代(3G)携帯。SoftBank Mobileによると、ローン契約で「頭金0円」で購入されながら、その後、代金や通話料の支払いが滞っている端末のほか、代理店から盗まれた端末などを対象に、通話を規制する措置を取っている。
通話が規制された端末は電波状況を示すアンテナマークが、通常とは違う赤色になり、電話の発信も受信もできなくなる。
中古端末販売業者の「eiYAAA」(大阪市港区)には、同社から購入した端末が通話不能になったという客からの苦情が2月末以降で50件近く寄せられ、別の端末への交換や代金の返還といった対応に追われている。関西の同業他社を含めると、200〜300件にのぼっており、ほとんどの業者はSoftBank Mobileの中古端末の買い取り中止に踏み切ったという。
eiYAA社側は「ローン購入の場合、契約時点で所有権は完全に移っており、転売するのは自由のはず。未払いローンの回収は、SoftBank Mobileと最初の購入者との間の問題で、無関係の最終購入者が不利益をこうむる通話規制はおかしい」とSoftBank Mobileの対応を批判。損害賠償訴訟を起こす考えだ。
SoftBank Mobile広報部は「中古販売を認めていないわけではないが、中古携帯は安いかわりにリスクがあることを承知の上で購入してほしい。不正取得端末の利用を制限することは3G契約の約款にも明記しており、問題はない」と話している。
3G携帯では、契約者を特定する情報が登録された「SIMカード」と呼ばれるICチップを入れ替えることで、別の端末を自分の電話番号で使うことができる。
NTTdocomoも同様の規制を行っているが、現在の使用者が中古ショップなどから正規に購入したことを証明する書面を提出すれば、規制を解除している。一方、auは端末の変更にはSIMカードの入れ替えだけでなく、代理店での登録が必要なため、こうした事例は報告されていないという。
(2009年3月29日=MSN産経)