北神急行への支援、継続へ
支援して350円というのは、破格の運賃*1です。近隣他社における8kmまでの運賃は以下のとおり。
会社名 | 大人運賃 | |
阪急 | 180円 | |
阪神 | 180円 | |
北近畿タンゴ鉄道 | 240円 | |
神戸市交通局 | 260円 | |
能勢電鉄 | 260円 | |
大阪市交通局 | 270円 | |
ポートライナー | 280円 | |
智頭急行 | 290円 | |
山陽電鉄 | 290円 | |
北条鉄道 | 300円 | |
大阪モノレール | 320円 | |
神戸電鉄 | 340円 |
兵庫県と神戸市、阪急阪神グループの3者が、北神急行電鉄(神戸市)への経営支援を2009年度以降も継続することが明らかになった。県・市と北神急行は運賃据え置きを巡り、一度は交渉が決裂したという。歩み寄った背景には、支援を続けなければ運賃が大幅に上がって利用客に打撃となり、やがては路線の存続も困難になるという危機感があった。
県・市は北神急行に1999年度から10年間の契約で年間5億4000万円を補助。補助金で新神戸〜谷上間(7.5km)の運賃を大人1人430円から350円に引き下げるという全国でも異例の支援をしてきた。
2009年度以降の対応は両者で協議会を設置していたが、北神急行が約3億円の経常利益を出し、県内にほかの不採算路線を抱えるなか、昨年夏に県が「2009年度以降は支援はしない」と断言。協議会は事実上休止した。
北神急行はやむなく近畿運輸局に値上げを打診。県・市は支援を打ち切ることで運賃が上がれば乗客数が減り、一段の経営悪化を招くと危機感を強めた。阪急阪神も北神急行の経営支援のため昨年9月下旬に100億円の無利子融資を実施しており、これ以上、単独で大幅な支援をするのは難しい状況とみられていた。
(2008年8月23日=NIKKEI NET)