近鉄鈴鹿線で、車両火災

大阪線の長大トンネル内でなくて何よりでした。主抵抗器に付着した新聞紙が燃えたというのは、過去に何件かあったのですが。

12日23時50分頃、近鉄鈴鹿線三日市駅に入ろうとしていた伊勢若松発平田町行き普通電車(3両編成)から出火、2両目中央部分の床や天井、座席の一部などを焼いた。線路の枕木8本も焦げた。
乗客約50人は車外に逃げ、けがはなかった。
近鉄によると、車両の床下にある1500Vの電流を入れたり切ったりする断流器箱(幅1.4m、奥行き83cm、高さ63cm)が熱で溶けていた。国土交通省は13日、航空・鉄道事故調査委員会の調査官2人を現地に派遣。市消防本部、鈴鹿署とともに原因を調べている。
近鉄によると、車両は1971年から運行しており、2006年には分解して点検した。9日に目視で点検した際には異常はなかったという。
燃えたのは伊勢若松23時37分発の下り最終電車で、乗客は近鉄がタクシーで送った。鈴鹿線は13日朝の始発から平常通り運転している。
出火時、運転士が「ボン」という音を聞き、車内が停電したという。
(2008年8月13日t=CHUNICHI Web)

<2009年10月30日追記>

1.追加対策の概要
今回の列車火災事故は、車両床下部に搭載されている断流器(パンタグラフからモーターへ流れる電流を遮断するスイッチ)および断流器箱取付部の絶縁が低下し、異常電流が流れたことに起因すると考えられることから、断流器箱内の部品取替え等、以下の対策を行うことで絶縁を強化し、異常電流を防止します。
(1)断流器箱内のスイッチ(断流器)の部品である絶縁支柱の取替え(スイッチの絶縁抵抗の低下を防ぐため、長期使用のものを新品に取替える。)
(2)断流器箱自体を吊っている器具の改良(断流器箱取付部の絶縁抵抗の低下を防ぐため、同部の絶縁を強化する。)
(3)断流器箱内壁に絶縁シートの貼付(断流器箱への放電を防ぐため)
※1.断流器の吹消しコイルについては、事故当該品と同じ時期に製造したものについて点検を実施し、異
常がないことを確認しました。
※2.(その他関連対策)
事故発生の過程で、電池ブレーカーが早い段階で「切」となり、予備灯が点灯しない等の事態となったため、今般、同ブレーカーの容量をアップします。
2.対策箇所数(対象断流器箱を搭載する車両数)664両
3.対策完了時期 平成23年度末までに完了予定
4.事故発生後、今日まで実施済みの対策
(1)緊急点検
・断流器の外観および機能点検など緊急点検を全車両で実施し、異常の無いことを確認しました。(平成20年8月中に実施済み)
(2)定期検査時の点検強化
・定期検査時における点検項目を追加し、今回焼損した床下機器(断流器および断流器箱)の点検を強化しました。
(2009年10月30日=近畿日本鉄道