新幹線西九州ルート、在来線分離区間をJR九州が20年間運行で沿線2県とJR九州合意−地元同意不要と解釈−

ウルトラCというか、何というか。歯止めをぶち壊しちゃっていいんでしょうか。それにしても佐賀県長崎県は負担に耐えられるんですかねぇ。
現行、三島会社は事業用固定資産について固定資産税等の課税標準を1/2に減免*1されているわけですが、下を買収しちゃうと、地元自治体にはこの金も入らなくなるわけで。

九州新幹線西九州(長崎)ルート建設問題で、早期着工に向けて協議していた佐賀、長崎両県とJR九州の3者が、新幹線建設に伴う並行在来線肥前山口諫早間)は、線路などの鉄道施設を両県が所有し、赤字も負担する一方、全区間JR九州が運行することで合意したことが16日、分かった。17日に古川康佐賀県知事らが上京し、国に報告する。
新幹線の着工には、経営分離される並行在来線の沿線自治体の同意が必要だが、3者は、JR九州が全区間運行することで経営分離ではないと解釈。沿線自治体の同意は不要になるとみている。
同ルートをめぐっては、並行在来線の沿線自治体の佐賀県鹿島市江北町の同意を得られず、国の事業予算がつきながら2005年度から3年にわたって着工できない状態が続いている。3者合意に国の理解が得られれば、同ルートは早期着工に向け、動きだす。
3者合意によると、並行在来線区間は線路や駅舎などを佐賀、長崎両県が所有し、列車の運行はJR九州が行う「上下分離方式」とする。しかし同社の運行区間をこれまでの計画の肥前山口肥前鹿島間から肥前山口諫早間の全区間に延伸。その結果、両市町の同意は不要になるとみている。延伸部分に赤字が出た場合、両県が県内区間の距離に応じて負担する。
また、JR九州による並行在来線の運行は現行を維持し、一定の長期間保証することでも合意。収支悪化などに伴う将来的な廃線への懸念を持つ両市町に配慮した。
長崎ルートは2004年の整備新幹線に関する政府・与党の申し合わせで、武雄温泉〜諫早間が着工区間となった。
(2007年12月17日=西日本新聞

3者の合意案は、同区間の線路など鉄道施設を両県が所有し、列車の運行をJR九州が担当する「上下分離方式」を採用。JR九州が当初、両県に無償で譲渡するとしていた鉄道施設を14億円で売却することにした。
運行は肥前山口肥前鹿島間をJR九州が、肥前鹿島〜諫早間を両県設立の第三セクターがそれぞれ担当する計画だったが、今回の合意案は、JR九州肥前山口諫早の全区間(約60km)の運行を担い、保証期限を20年とした。21年目以降は3者で再度協議する。
列車の運行本数は従来計画通り、特急は現行上下約50本を10本程度に減らし、肥前鹿島駅止まりとする。普通は現行を維持する。運行方式は電化からディーゼルに変える。運賃は現行通りとなる見込み。
3者は赤字額を年間約1億7000万円と試算。約1億円をJR九州が負担。残る約7000万円は、鉄道施設の譲渡で両県からJR九州に払う14億円で賄う。
新幹線着工には、並行在来線の経営分離について沿線自治体の同意が必要だが、3者は「試算額以上の赤字はJR九州が負担するので、経営分離ではなく、同意も不要」と説明。一方、経営分離に反対している佐賀県鹿島市は「(どう判断するか)時間がほしい」としている。
同日午前、3者の幹部から同案の報告を受けた国は、整備新幹線着工の基本条件5項目など「新幹線スキーム(計画)」に合致するか検討を開始。最終判断は政府・与党の整備新幹線検討委員会に委ねられる。
(2007年12月17日=西日本新聞

*1:その他、三島会社と貨物会社は、国鉄からの承継資産について固定資産税等の課税標準を3/5に減免されています。