用賀駅・梶が谷駅における列車とホームの接触

他に発生していなかったこと、時間的にみてラッシュのピークにはなっていないことを考えると、当該車両に何らかの異常があったのではないかと思うのですが。

6月22日7時19分頃、用賀駅を通過中の中央林間発清澄白河行き急行(東京メトロ8000系10両編成)の先頭から2両目、5両目、8両目、9両目の計4両(計6ヵ所)の車両側面の一部(車端部)が、ホーム端に接触した。
東急電鉄で点検を行った結果、線路および線路とホームの間隔については異常は認められなかった。また、東京メトロで当該車両について、緊急点検したところ異常は認められなかった。
東急電鉄では、発生当日(6月22日)から、上りの急行列車について 用賀駅通過時の速度を通常の75km/hから50km/hに制限している。
(2006年6月26日=東急電鉄東京メトロ

<2006年6月29日追記>
他にも見つかったって、東急電鉄が、ホームの設計を間違えているんじゃないでしょうか?車両の設計を間違えている可能性もないわけじゃないですが、両社が同時に間違えるということは考えにくいですね。酔うぞさんが何か書かれないかな。

東急電鉄で、車体側面にホームと接触するなどしてできたとみられる傷が付いた車両が、十数両見つかった。
22日、用賀駅で、駅を通過する急行電車(10両編成)がホームと接触し、10両中4両に6ヶ所、深さ約1mmの傷が付いたことが判明。同社と急行電車の車両を保有していた東京メトロは、全車両で同様の傷がないかどうか点検した。
今回見つかった傷は、その点検後に新たに付いたとみられる。用賀駅ホームとは反対の側面に付いた傷もあり、東急などが原因や経緯を調べている。
(2006年6月29日=共同)

東京メトロが、ホームの設計を間違えたとすると、東武の車両も接触する可能性が高いので、東急電鉄が怪しいですね。

28日、半蔵門線車両4編成(8000系×1編成、08系×3編成)に接触痕(いずれも用賀駅での接触痕があった箇所とは反対側)が確認されました。
(2006年6月29日=東京メトロ

と思ったら、東急電鉄側は異常なしですか。むぅ・・・。

28日、田園都市線所属車両45編成のうち12編成において、車体の片側(用賀駅でのホーム接触とは反対側)の一部(それぞれ1、2箇所)に接触痕を発見しました。
直ちに田園都市線全線の線路および構造物、ならびに接触痕が発見された側にホームがある駅について、係員の目視による緊急点検を実施しましたが、異常は見つかりませんでした。また車両についても緊急点検を実施しましたが、異常は見つかりませんでした。
さらに昨日の営業運転終了後に、測定器具を使用し、線路および構造物の異常の有無、およびホーム等構造物と車両の間隔について、詳細な調査を行いましたが、異常は見つかりませんでした。
原因が特定できるまでの間、緊急対策として、曲線区間に設置されている駅のうち、接触痕が発見された側にホームがある駅は、制限速度から約30%減速して運転しております。また当該駅のホームに監視員を配置しております。
(2006年6月29日=東急電鉄

<2006年7月14日追記>
この事故が上に上がらなかったことは、憂慮すべき事態です。

6月27日以前の保線作業記録などについても調査したところ、梶が谷駅2番線ホームの笠石の一部に、車両と接触してできたものと思われる傷(長さ約2m、幅約5cm)が6月27日に発見されていたことが判明しました。梶が谷駅以外の駅ホームでは傷は見つかっておらず、その他の駅施設や構造物にも異常はありませんでした。また東京メトロ線内の駅施設や構造物にも異常はありませんでした。
なお6月29日の時点では、「車体の接触痕はすべて28日中に付いたものと思われる」とご説明していましたが、以上の状況、および車体の接触痕の位置や形状などの調査結果から、今回の車体接触痕は、6月28日以前に梶が谷駅2番線ホームで付いたものと考えられます。
当該ホーム部分の線路状態を調査した結果、27mmあるはずのカントが13mmしかなかったことが判明しました。
用賀駅の接触の件については現在も調査中です。
(2006年7月13日=東急電鉄、14日=asahi.com

<2006年9月29日追記>
東京メトロの車両に問題があったようです。

東京メトロ8000系車両がカーブ区間を走行する際、乗車率、速度、カントの3つの要素が重なった特定の条件下で、極めて低い確率ですが差圧弁*1が作動し、カーブ外側に予測範囲を超えて車体が傾くことが原因と判明した。
東京メトロ8000系全車両の差圧弁を、今回のような条件下では動作しないものに交換する。全車両の差圧弁の交換が完了するまでの間、用賀駅ホームを含め、今回のような状況となる可能性がある東急田園都市線内のカーブ区間において、全ての車両に対して減速運転を実施する。
東京メトロでは、安全面に配慮して、接触した車両(8000系)の使用を中止していたが、水槽を搭載して事故発生時と同様の乗車率を再現した実車走行試験を複数回実施し、車両の動きについて検証した結果、減速運転を行うことにより安全性は確保できることが判明したため、使用を再開する。
なお、東急田園都市線に乗り入れている東武鉄道30000系車両の差圧弁についても、同様な事象が発生する可能性が考えられたため、同様の試験を行った結果、問題のないことを確認した。
また、東急田園都市線に乗り入れている東京地下鉄および東武鉄道のその他の車両と、東京急行電鉄の全車両については、調査の結果から、同様の事象が発生する可能性がないことが確認されている。
(2006年9月29日=東京メトロ東急電鉄東武鉄道

*1:車体を支えている左右の空気ばねの内圧差を抑制し、車体を安定的な状態にするための弁。