リニアモーターカー実験線延伸へ

呼び水になるのでしょうか。

営業運転を想定した実験線の延伸・完成に、JR東海が今夏以降、本格的に乗り出す。「将来を見据えた投資」と位置づけ、すでに支出した約1,600億円の倍近い費用を初めて自社だけで賄う構えだ。
山梨リニア実験線は当初、全長42.8km(笛吹市上野原市)で計画された。しかし、用地買収の難航や事業費増などで、完成しているのは、「先行区間」(大月市都留市)の18.4kmでしかない。ここで1997年から走行試験が繰り返されてきた。
延伸されるのは、「一般区間」と呼ばれる残りの24.4km(笛吹市大月市都留市上野原市)。すでに97%の用地は取得済みという。着工時期は未定だが、工期7年で計画全線の完成を目指す。
先行区間の設備や車両の更新を含め、約3,000億円を単独で投じる。これまでは、JR総研と事業費を分担。国の補助金山梨県の地元協力金もあった。JR東海自体は、実験線への総投資額を1,965億円と見込み、2005年度末までに1,663億円を支出している。
学識者でつくる国土交通省の「超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会」も2005年3月、「実用化の基盤技術が確立した」と認め、さらに5年程度、実験を継続するよう求めている。今後の課題としては、

  1. さらなる長期耐久性の検証
  2. コスト低減のための技術開発
  3. 営業線適用に向けた設備仕様の検討

の3点を挙げていた。
(2006年6月25日=asahi.com